「男らしさ」も多様でいい

事例に共通するのは無自覚ハラスメントで、根底には「男らしさ」の固定観念があると著者は指摘する。それは、男は常に競争して高い評価を勝ち取らなければならない、弱音を吐いてはならない、といった旧来の価値観だ。

それに対して、「男らしさ」を多様化していくべきだと著者は説く。英国のアーティストの言葉を引いて、男も傷ついていい、弱くなっていい、間違えていい、さらにはそれらを恥ずかしがらなくていい、と示す。

具体的なアドバイスもある。例えば、自分にわからない点があることを認めて部下に質問すること。若い世代の価値観は多様化しており、ある種の異文化コミュニケーションという意味でも「謙虚に問いかける」ことは有効なのだ。

ある世代の方にとっては、「男も弱くなっていい」は解放の言葉になるのではないか。本書を参考に、「男らしさ」をいま風に少しずつアップデートして欲しい。

今回の評者 = 戎橋 昌之
情報工場エディター。元官僚で、現在は官公庁向けコンサルタントとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。大阪府出身。東大卒。

捨てられる男たち 劣化した「男社会」の裏で起きていること

著者 : 奥田祥子
出版 : SBクリエイティブ
価格 : 990 円(税込み)