人とは違う「独自の視点」

お金とは切ってもきれない「稼ぐ力」についても言及されている。著者いわく、どんな時代になっても必要なのは「独自の目線」を持つことだ。

例えば、著者が感銘を受けた「ガンダム風のテディベア」というものがある。デザイナーの佐藤オオキ氏の作品で、ガンダムの色彩をしたストライプ模様のテディベアだ。見た目はテディベアだが、だんだんガンダムらしく見えてくる。2005年に開かれた「ガンダム展」の公式グッズとなり、すぐさま完売した。

形のまったく異なるぬいぐるみを「色の流れ」でガンダムに見立ててしまう。このように、人とは違う見方で独創的な発想をしたり、自分の頭で解釈を広げたりすることが、大きな価値を生み出すのだ。価値を生むアイデアは、自分の視点次第で増やせるのだと説く。

ところでなぜ著者は14歳の自分に向けて本書を書いたのか。ちょうどその頃、原因不明の倦怠(けんたい)感や体調不良で、自分自身塞ぎ込んでいた。当時は社会と分断されたと感じ、未来への希望も持てなかったという。同じような経験をしているかもしれない14歳に、お金を通じて社会と関わる方法を教えたい。そんな思いがあるのだ。お金への意識や向き合い方を、リフレッシュしてくれる一冊である。

今回の評者 = 若林智紀
情報工場エディター。国際機関勤務の後、人材育成をテーマに起業。その後、ホテル運営企業にて本社人事部門と現場マネージャーを歴任。多岐にわたる業界経験を持つ。千葉県出身。東大卒。

14歳の自分に伝えたい「お金の話」

著者 : 藤野英人
出版 : マガジンハウス
価格 : 1,500 円(税込み)

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