ヒット作『アナ雪』の舞台裏 結果出すリーダーの言葉『LEADER’S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器』

映画『アナと雪の女王』の初期バージョンは、勇敢なヒロインのアナが悪役のエルサと戦う物語だった。しかし試写での評価は否定的。公開は1年半後に迫っていたにもかかわらず、物語は大きく変更され、愛で結ばれた姉妹の感動作が完成した。結果、大ヒットとなった成功の背景には、制作現場を率いるリーダーの言葉遣いがあったという。

本書『LEADER’S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器』(花塚恵訳)は、リーダーシップにおける言葉の大切さに主眼を置いている。産業革命期の組織の「プレー」(行動様式)はすでに時代にそぐわないとし、それに代わる6つのプレーを紹介する。ここでいうプレーとは、アメリカン・フットボールのプレーのイメージで、行動と反省、実行と決断を行き来する。

著者は米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」の元艦長。海軍内で最低評価だった同艦を1年で最高評価にした経歴を持ち、退役後はリーダーシップに関するコンサルタントとして活躍している。

赤ワークと青ワークを切り替える

6つのプレーの一つに「時計を支配する」がある。時間を気にし過ぎ、本来取り組むべき仕事をないがしろにしてはならないということだ。

著者は、仕事を「実行(行動すること)=赤ワーク」と「意思決定(考えること)=青ワーク」とに分け、意識的に切り替えることが重要と説く。赤ワークには、時計のような正確さ、ばらつきを抑えることが求められるのに対し、青ワークは、時計を支配し、選択肢を増やすことが効果的だ。

冒頭の『アナ雪』のケースに戻ると、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーは試写後、「どれだけ時間をかけてでも、必要な答えを見つけるべきだ」と語った。締め切りにとらわれず青ワークに取り組むようチームを導き、さらに「何をしてもいいとしたらどんなものが見たい?」と問いかけた。これは6つのうちの一つ「成果を改善する」プレーに導く言葉だ。すでに完成した作品に固執させず「エルサは悪役でなければならないか?」「二人が姉妹だとしたら?」など斬新なアイデアを引き出す好結果につながった。

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リーダーの言葉遣いが結果を変える