ユーチューブ経営者の母に学ぶ 成功する子育てる法則『TRICK』

「率先垂範(そっせんすいはん)」とは、自ら人の先頭に立って物事を行い、見本・模範を示すことをいう。部下を育てる際の上司の心得として耳にすることが多いが、子どもを育てる上でも有効だ。

そう説くのが本書『TRICK』の著者、エスター・ウォジスキー氏。シリコンバレーで高校教師をする彼女には3人の娘がいる。長女は動画投稿サイト「ユーチューブ」 最高経営責任者(CEO)、次女はカリフォルニア大学医学部准教授、三女はバイオベンチャーの米トゥエンティースリー・アンド・ミー(23 and Me)を創業した。著者は本書を「成功する人間を育てるにはどうしたらいいかを描く本」と紹介する。

子どもが幸せと成功を手に入れられるかは、TRICKが鍵だという。TRICKとは、Trust(信頼)、Respect(尊重)、Independence(自立)、Collaboration(協力)、Kindness(優しさ)の頭文字をつなげたもの。母親として、また教育者としての著者の経験から見いだされたメソッドは、ハーバード大学やカルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の心理学者、教育学者たちからも支持されている。

親の背を見て子は育つ

TRICKを子どもに教える方法はシンプルだ。親が子どもに行動で示せば良いのである。

たとえば、Kindness(優しさ)。スタンフォード大学の学長であるマーク・ラヴィーン氏が著者に、「志願者に求める資質の中でも、優しさと他者への思いやりが一番大切」と語るほど、社会で活躍するには欠かせないスキルである。さて、優しさを子どもにどう教えるか。

日常生活の中で、親が手本になれる場面はたくさんある。お年寄りに手を貸したり、ベビーカーを押すお母さんにドアを開けたり、運転中に他の車を割り込ませてあげることだって、優しさだと著者はいう。

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