日本勤務、支社から風穴 在留資格の問題で一苦労新日本プロレスリング前社長 ハロルド・ジョージ・メイ氏(8)

日本支社に直接コンタクトすることでハイネケン・ジャパンに就職した
日本支社に直接コンタクトすることでハイネケン・ジャパンに就職した

業種や規模はもちろん国境をも軽々と飛び越えて次々に効果的な策を打ち出し、企業を成功に導く。こうした「プロ経営者」と呼ばれる人たちの一人がハロルド・ジョージ・メイ氏だろう。赤字状態だったタカラトミーの社長となるや、わずか数年で最高益へと業績をV字回復させた。そのメイ氏は2018年、新日本プロレスリングの社長に就いて、新たなファンを呼び込んだ(2020年10月に退任)。メイ氏の「仕事人秘録」の第8回では、日本での就職体験談を明かします。

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日本で働きたいという気持ちは強かった。自らの経歴を踏まえ、日本に支社を持つ外国企業にターゲットを絞って就職活動を始めた。だが最初に立ちはだかったのは在留資格の問題だった。

就職に際して1番に考えたのが日本で働くことです。子どものころ日本にいて、いい思い出が残っていたのはもちろんあります。しかし、それ以上に自分の価値がオランダよりも日本で生きるのではないかと思いました。

オランダで就職しても1人のオランダ人に過ぎません。それが日本で働けば、英語と日本語が使えて両方の文化を知っているという自分の武器が使えると考えたのです。

最初に米国の企業に就職することを考えました。米国の大学の場合、3年生を対象に企業がリクルーティングのためにキャンパスにやってきます。もちろんそれは受けたのですが、外国人の就職は一筋縄ではいきません。グリーンカードの問題があるからです。

「オランダ人ですか」「はい」「グリーンカード持ってますか」「持ってません。それはどうしたらもらえますか」「仕事があればもらえますよ」「仕事もらうためにはどうしたらいいんですか」「グリーンカードが必要です」といった具合です。これではにっちもさっちもいきません。

そこで、オランダの企業を中心に日本に支社がありそうな企業の本社に片っ端から手紙を出しました。しかし本社では日本語ができることや文化がわかることの価値や珍しさがなかなか理解されませんでした。

わざわざそういう人材を採用して、地球の反対側に送り込む必要があるのかという話になるのです。「入社から10年たてば外国派遣とか考えるけど」と言われたこともあります。それでも私はすぐに日本に行きたかったのです。

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