プロレスの魅力に国境なし 戦いを巡る「物語」伝える新日本プロレスリング前社長 ハロルド・ジョージ・メイ氏(1)

新日本プロレスリングは世界に通じるコンテンツだ=同社提供
新日本プロレスリングは世界に通じるコンテンツだ=同社提供

業種や規模はもちろん国境をも軽々と飛び越えて次々に効果的な策を打ち出し、企業を成功に導く。こうした「プロ経営者」と呼ばれる人たちの一人がハロルド・ジョージ・メイ氏だろう。赤字状態だったタカラトミーの社長となるや、わずか数年で最高益へと業績をV字回復させた。そのメイ氏は2018年、新日本プロレスリングの社長に就いて、新たなファンを呼び込んだ(2020年10月に退任)。メイ氏の「仕事人秘録」の第1回では、新日本プロレスが持つ、世界に売り込める魅力を解き明かします。

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読者のみなさんは「プロレス」というとどういう印象をお持ちでしょうか。少年時代に日本に滞在していた私にとって、テレビでプロレスを見る時間はなくてはならないものでした。父がプロレスファンだったこともあります。まだ日本語がわからなかった私でも十分楽しめて夢中になれるものだったのです。

新日本プロレスの歴史は1972年に始まります。80年代はテレビのゴールデンタイムで試合が放送されていました。売り上げも大きく、まさに「ゴールデン」でした。

ところが2000年代に入って売り上げはガタンと落ち込みます。原因は様々ですが、「K―1」などほかの格闘スポーツが続々と登場して人気を得たことなどが影響しました。ゴールデンタイムのテレビ放送は終わり、現在は深夜に放映されています。

経営的に苦しい時期が続きました。それが12年にカードゲーム会社のブシロード(東京・中野)のグループ会社となったことで転機を迎えました。売り上げがV字回復し、売り上げ、利益とも過去最高を記録するまでに勢いを取り戻しています。

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