――業績低迷の影響は働く人にも及びますか。

1990年代のバブル崩壊後や2008年のリーマン・ショック時は、雇用リストラや企業の破綻が相次ぎました。今回は上場する大企業に関する限り、そうした動きは広がっていません。その理由としては、企業の財務体質が強くなっている点が挙げられます。金融政策の後押しもあって株価も堅調に推移しており、かつての危機のように資産デフレが経営破綻や失業増をもたらす深刻な事態は今のところ回避されています。

もっとも中小企業の収益環境は非常に厳しい状況です。外食や観光業などコロナの影響が大きい業種は財務面の余裕も乏しく、感染拡大の状況も踏まえつつ政府の適切な需要喚起策が必要です。

長い目で見れば、企業はポストコロナに向けて事業構造を変革していけるかどうかが重要になります。とりわけ、デジタル化への対応が企業の中長期の競争力を左右しそうです。テレワークやオンライン教育、遠隔医療などの普及に向けて、政府の対応も問われます。企業で働く人々も、新たな業務や働き方にチャレンジしていく覚悟が求められそうです。

ちょっとウンチク

企業、独自に収束時期想定

4~6月期の企業決算は新型コロナウイルスの感染拡大が続く異例の状況下で行われた。先行きが見えないなか、企業も例年にない対応を迫られている。

一つが「会計上の見積もり」にかかわるものだ。例えば、三越伊勢丹ホールディングスは「(コロナの)影響が2021年3月末ごろまで続く」と仮定していることを四半期報告書に明記した。

感染症がいつ収束するかは誰にもわからない。しかし決算で資産の価値を計測したりする際は一定の前提が必要となる。業績だけでなく、企業がどんな仮定を置いているかも見れば参考になるだろう。(編集委員 橋本隆祐)

■今回のニッキィ
森川 裕子さん 通信会社勤務。在宅勤務が続いて運動不足になり、自宅で動画サイトを見ながらダイエットダンスを始めた。「仕事が終わった後の運動がリフレッシュになる」
松本 梨奈さん 税理士法人勤務。趣味で通うヨガ教室がコロナの影響で閉鎖されたが、最近は様子を見ながら再開。「少しずつ元の生活に戻りつつあるのかな」と感じている。

[日本経済新聞夕刊 2020年8月31日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。


管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


次世代リーダーに必要な3つの要素を身につける講座/日経ビジネススクール

若手・中堅社員向け!ビジネスの現場ですぐに役立つ実践講座

>> 講座一覧はこちら

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら