日韓関係は改善する? 元徴用工問題の進展が焦点に

――日韓関係が悪いままだと、どんな不利益があるのでしょう。

北朝鮮の核・ミサイルや中国の軍事力増強に対し、日米韓3カ国の連携は抑止力になります。米政府が19年11月、「北朝鮮や中国を利するだけだ」となりふり構わず日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効阻止に動いたのは、地域情勢への危機感を印象づけました。

経済面でも、日韓の企業同士は互いの弱みを補い合い、連携を維持しています。第三国での協力案件も実績を上げています。判決で差し押さえられた日本企業の資産が売却・現金化されると、企業活動が縮小してしまう恐れがあります。

20年春ごろに訪れるといわれる現金化が当面の焦点です。徴用工問題が進展しなければ現金化は避けられず、日韓関係はさらに冷えこみます。逆に、徴用工問題が片付けば現金化も回避され、韓国が求める日本の輸出管理措置の緩和・撤回にもつながっていくとみられます。

――日常生活のレベルで変えられることはありますか。

日本文化に親しむ韓国の10~20代は、日本好きを封印して反日運動に参加しているのが実態です。日本でも女性や若者を中心に、韓国のドラマ・音楽や食、ファッションなどを受け入れています。相手の人々や文化に触れる機会が減るのは、隣国を理解するうえで望ましくありません。

政府間の対立にかかわらず、年間往来数が1千万人(18年)まで育った市民交流は続けるべきでしょう。互いに相手への中傷や感情的な非難の応酬は、自制が必要です。20年は「最悪期」からの脱出を図る一年になりそうです。

ちょっとウンチク

「日本人は嫌韓」本当か

内閣府が19年末に発表した世論調査で「韓国に親しみを感じる」との回答は27%で、09年の63%と比べて大きく落ちこんだ。10年前に34%だった「親しみを感じない」は72%に跳ねあがった。年代が上がるにつれ、韓国への厳しい視線が強まる傾向にある。

日韓関係も角度を変えると違った風景がみえる。18~29歳で韓国に親しみを感じているのは半数近くに上る。19年末の日曜夜、ソウルから東京への飛行機内は日本人女性でいっぱいだった。実体験で印象は変わる。「反日」「嫌韓」を安易に使うのは避けたい。国民感情を知るには鳥の目と同時に、虫の目も必要だ。(編集委員 峯岸博)

■今回のニッキィ
吉原典子さん 薬膳講師。書道を続けており、師範になるため学校に通う。書き方そのものに加え、漢字であれば中国の古典なども学ぶ。「関心が高まったので、中国大陸にも足を運んでみたい」
小川めいこさん ケアマネジャー。働き方改革の進展で、時間外労働などへの目が厳しくなっているのを実感する。「介護という仕事柄、時間単位で区切りにくく、どう折り合いをつけるか悩ましい」

[日本経済新聞夕刊 2020年1月20日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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