発酵タイプ、欧州で主流

牛から搾った生乳から乳脂肪を分離させ、練り上げたものがバター。一般的に、約100グラムを作るのに約2リットルの生乳を使うという。植物性油が原料のマーガリンとは違い、ミルクの乳脂肪分を濃縮しているため、牛の育つ環境や牧草の味わいにより様々な風味が生み出される。練り上げ方により、口溶けも変わる。

バターは1~2%の塩分を添加した「有塩」と、食塩なしの「無塩」に大別できる。日本の食パンは砂糖を加えたものが多く「有塩バターがパンのほんのりした甘さを引き立たせるため、相性がよい。砂糖は使わず、塩を練り込んだフランスパンには無塩バターが向く」(松田武司さん)。

今回のランキングでは1、2、3、8位が発酵バター。製造過程で乳酸菌を加え、発酵させて作るタイプだ。遠心分離機がない時代からバターが作られていた欧州では、生乳からクリームを分離させる間にクリームが発酵し、香りよく仕上がった。そのため、欧州では今も発酵バターが主流だ。一方、遠心分離機の発明以降にバターを作るようになった日本や米国では発酵させないのが一般的だ。

発酵させると特有の酸味とうま味が生まれる。使う乳酸菌の種類や加えるタイミング、発酵の温度や時間がメーカーごとに違うので、食べ比べると楽しい。

バターは鮮度が大切。「開封後は冷蔵庫の食品の臭いを吸収しやすいため、ラップで密封し、早く食べ切るのがおすすめ」(町田えりこさん)だ。

総務省の家計調査によると、日本では1世帯あたり年間2箱半(1箱200グラムで換算)程度のバターを食べている。バターは猛暑の影響などで品薄になることがあるが、農林水産省によると、今年は生乳の生産量が前年同期比1割ほど伸びており、国内の生産は安定している。ただ、売り切れになる人気商品も多く、予約が必要な場合もある。

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調査の方法 全国の百貨店・量販店、または取り寄せて購入できるバターを対象とし、売れ筋や専門家の推薦により21商品を選出。山崎製パンの食パン「ロイヤルブレッド」のトーストに塗って試食し、おすすめを選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。

畔田隆弘(三越伊勢丹銀座店食品営業部マネージャー)▽下園昌江(お菓子研究家)▽ダヴィッド・ブラン(グランドハイアット東京副総料理長)▽田中高(山崎製パン中央研究所研究員)▽中島眞介(ホテルニューオータニ調理部長)▽町田えり子(料理研究家)▽松田武司(VIRON渋谷店 シェフ ブーランジェ)▽三宅清(パナデリア代表)▽村瀬美幸(チーズプロフェッショナル)▽藤原浩(日本フードアナリスト協会常任理事)

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