頻発する異常気象、対策は? 企業や行政に変化迫る

ニュージーランドは2050年までに温暖化ガス排出実質ゼロを目指す(NZ北島の風力発電機)
ニュージーランドは2050年までに温暖化ガス排出実質ゼロを目指す(NZ北島の風力発電機)

国内外で、地球温暖化が原因とみられる異常気象が相次いでいるわ。12月にはスペインで温暖化ガス削減目標を達成するための国際会議が開かれるけど、それぞれの国・地域、人々の取り組みはどうなのかな。次世代にまで影響を与える半面、日々の生活で見過ごしがちな地球温暖化について、小川美紀さんと大坪桂子さんが滝順一編集委員に聞いた。

――地球温暖化はどのくらい進んでいるの。

世界の平均気温は、人類が産業革命で化石燃料を大量に燃やすようになった19世紀半ばに比べ、1度近く上昇したとされます。人類がおよそ150年間にわたり、大気を暖める働きをもつ二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスを排出し続ける一方、CO2を吸収する森林を伐採してきたためだと考えられます。

いまのままだと、今世紀末には温度上昇が約3~5度にも達すると、多くの科学者が予測しています。1度の上昇ですでに干ばつや山火事、暴風雨の強大化がみられます。さらに上がれば異常気象が頻発しかねません。日本でも台風・豪雨災害が起きています。温暖化のせいだと科学的に断言はできませんが、日本近海の海水温上昇が一因なのは間違いありません。

海水の熱膨張などで海水面がすでに上昇しています。いまのままではフィジーなど小さな島国は国土が沈む恐れがあります。東京や上海といった海沿いの大都市は、高潮による浸水リスクが高まっています。温暖化による農業や水産業への悪影響も心配です。

――国際社会はどんな対策をとっていますか。

2015年に国連の会議で「パリ協定」が採択され、世界のすべての国が温暖化対策に取り組むことを約束しました。協定は、産業革命以来の気温上昇を2度未満にとどめ、できれば1.5度以下に抑えたいとしています。この程度にとどめれば、後戻りの利かない破局的な地球環境の大変動を回避できると考えられるからです。目標を実現するため、欧州では、50年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにしようとする動きが出ています。

世界中で太陽光や風力など自然エネルギーによる発電が急速に普及しています。フランスなどガソリン車をやめて電気自動車に切り替えようという国も出てきました。熱帯雨林を守る運動も活発です。年金基金などの投資家や銀行が温暖化対策に積極的に取り組む企業に対し、有利にお金を投資したり貸し出したりするようにもなってきました。