カリスマ創業者の教え 「知る→好き→楽しい」の連鎖バンダイナムコホールディングス 元会長 石川祝男氏(16)

ナムコ創業者の中村氏(中)と元バンダイナムコゲームス副社長の鵜之沢氏(右)。左端が石川氏
ナムコ創業者の中村氏(中)と元バンダイナムコゲームス副社長の鵜之沢氏(右)。左端が石川氏

2018年6月にバンダイナムコホールディングスの会長を退任した石川祝男氏は、文化の異なるバンダイとナムコの経営統合に誰よりも前向きで、両社の文化融合に尽力しました。石川氏が社員に伝え続けた「元気よく暴走しなさい」というメッセージでした。その石川氏の「仕事人秘録」。第16回ではカリスマ創業者だった中村雅哉氏の教えや人柄を振り返ります。

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2017年1月、ナムコ創業者の中村雅哉氏が91歳で亡くなった

最も印象に残っているのは、亡くなる2~3年前のことです。引退されてからも業績の報告に行き、そのたびに「あーでもない、こうでもない」とケンカばかりでした。ところがある日、突然「もうあんたに任せた」と切り出されました。面倒になったわけではなく、全面的に信頼してくれたのでしょう。

旧ナムコは中村さんの会社です。会議中に寝るだけでなく、怒鳴り、新人を泣かすこともありました。

新入社員の試作品コンペをやった時のことです。当時社長だった中村さんが、発表者が新人とは知らず徹底的に否定したのです。あまりにも厳しすぎて新入社員が泣き出します。これはまずいと「社長、実は新人なんです。できるだけ優しく」と伝えると、「早く言えよ」と。それ以降は毎回「今日は新人じゃないよな」と聞いてきました。そういう部下を思いやる気持ちは尊敬できました。

創業者としてカリスマ性のある人でした。本人が面白いと思った企画や元気の良い社員は全面的に支援します。周囲も「中村さんが言うなら、やるしかない」という雰囲気になります。いかに説得して許可を引き出すかに最も神経を使いましたが、私は中村さんのそういう所をこざかしく利用してきました。

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