ロッテブランド「若返り」 30代主役に、定番も刷新
ロッテの牛膓(ごちょう)栄一社長
ロッテの牛膓栄一社長
菓子大手のロッテがブランドの"若返り"に動き始めた。話題のプロモーションビデオは若手チームが作成し、ブランドマネジャーにも30代社員を次々抜てき。今までの発想とスピード感では消費者の変化に対応できないという危機感からだ。「挑戦が大事。各ブランドの(商品)領域も広げたい」。牛膓栄一社長は年齢や組織の壁を崩し、新生ロッテを形作ろうとしている。
イメージ動画 若手中心製作
――ブランドイメージを伝えるアニメ動画「ベイビーアイラブユーだぜ」が人気ですね。
「視聴回数は1030万回を超えました。若者中心で作ったのが非常によかったです。我々は途中経過では一切、何も言っていません。川村元気さんがクリエーターだったんですが、若い社員がこういう風にしてくれとか、これじゃだめだとか、かなりやったと聞きました。トップクリエーターに言われたまま作るんじゃなくて、ちゃんと話してつくってくれたのがうれしかった」
――製作メンバーは何歳が中心ですか。
「30代ですね。約30人のプロジェクトチームを作りました。マーケティングも営業も生産も、部署を問わずロッテの未来をどう伝えるかというプロジェクトです。まずはロッテとは何かを表現するプロモーションビデオをつくりました。全ブランドが画面に出てきてストーリーになっていますが、ブランドをいやらしく出すんじゃなくて、擬人化して生活者に近い感覚で若者を結びつけています」
――なぜ若手の起用を考えたのですか。
「我々は70年間の歴史があり、ブランドもたくさんありますが、これでいいのかなっていう疑問があるんです。『コアラのマーチ』『パイの実』『ガーナ』って昔のままじゃないですか。本当に今の人たちにマッチしているのか、うちの社員含めてもう一回、考えさせようというのが原点なんです」
――ほかにも若手の積極登用を始めたそうですね。
「ブランド担当のマネージャーを30代にしました。キシリトール、チョコパイ、ガーナ、クーリッシュ、雪見だいふくの5ブランドをそれぞれ300億円の売り上げにする計画を示しました。雪見とかはまだ100億円いっていません。それをあえて300億円にする。考えるのは君たちだと言っています」