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仕事人秘録セレクション

100年先を見越して原酒づくり 後継者も「熟成」 サントリースピリッツ 名誉チーフブレンダー 輿水精一氏(10)終

2019/8/2

――次代のブレンダー育成も輿水氏が担う大きな役割だ。

今の立場になるときに、人事担当者から「あなたの最大の仕事は次のチーフブレンダーを育てることですよ」と念を押された。先輩同様に私も部下の面倒見がそれほどいい方ではないかもしれない。結局は、ある程度の適性がある人を選んで経験を積ませるしかないのだろう。うまいウイスキーをつくりたいという気持ちがあれば、努力して伸びていく。

イチロー選手らのバットをつくっているミズノの職人さんや、有名な演奏家に楽器をつくっているヤマハの職人さんなど、プロの仕事場をともに訪ねて話を聞く機会を設けてきた。ブレンダー室にいるだけでは見えにくいものづくりの心構えを体得してほしいのだ。

ブレンダーも原酒と同じように時間と環境が育てる。その成果は将来、サントリーのウイスキーが今よりもおいしくなっているかどうかで判断されるのだと思っている。(聞き手は田中浩司)=この項おわり

輿水精一
こしみず・せいいち 1949年山梨県出身。73年山梨大工卒、サントリー(現サントリーホールディングス)入社。99年にウイスキー造りの技術トップである第4代のチーフブレンダーに就いた。「響12年」などを手掛けた。現在はサントリースピリッツの名誉チーフブレンダー。

[日経産業新聞 2008年12月3日付]

仕事人秘録セレクションは金曜更新です。

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