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職場の知恵

20代、30代で転職を経験した人材は強い 城繁幸氏・岩瀬大輔氏 対談(下)

2012/11/2

少子高齢化やグローバル化などを受け、日本の雇用制度が大きく揺らいでいます。新しい時代に対応するには、国や企業、個人はいったいどうすればいいのか。どんな制度が理想なのか。人事コンサルタントの城繁幸氏とライフネット生命副社長の岩瀬大輔氏が前回に続き、求められる会社の仕組みや人材などについて話し合います。

人事コンサルタントの城繁幸氏(右)とライフネット生命副社長の岩瀬大輔氏(左)

■既得権を手放すのは難しい

――働く意欲が高い人がいる一方で、ベテラン社員には、現行の制度を守ってもらったほうが都合がいいという人もいます。

 外資系であれば40歳を過ぎて会社に残るのは、パートナー(共同経営者)になれる人くらいで、人数は少ない。残るような人は、すごく優秀。一方で、日本企業の場合だと、若い時は安い給料で働いて、40歳を過ぎてから若い頃の投資を回収するというスタンスだったりします。

岩瀬 労働者といっても一様ではないわけですよ。若い世代は変えなくてはいけないと思っている。でも、今の制度のまま逃げきりたい人を責めるのも難しいと思います。みんな個人レベルでは、利己的ですから。既得権をギブアップしろというのは難しい。だから、経営トップが腹をくくるか、国などが仕組みを強制的に変えていくしかないと思うんです。

 それでも日本の場合、組合が非常に強くて、法律で守られていますから、そこはなかなか変えられないですよね。

岩瀬 でもドイツの企業って、労働者の権利が強いけれど好調じゃないですか。そのあたり、何かご存じですか。

人事コンサルタントの城繁幸氏

■欧州から学べる点はあるか

 ドイツでは取締役会の上に監査役会のようなものがあって、そこに従業員代表が入らないといけない。だから労働組合がある意味、経営よりも上のカードを1枚持っていて、経営に参入するわけです。日本と違って、小さな会社は一応解雇はできますが、大企業はたとえば1000人単位で整理解雇するとなるとハードルが高くて、政治化するんです。2006年くらいまでは、やっぱり「ドイツ病」とか、ヨーロッパのお荷物的なことを言われていたんですね。

オランダやベルギー、北欧などは、国が積極的に会社を潰すし、企業も解雇してかまわないよという仕組みです。失業した国民には、社会保障をきちんと行って、職業訓練、再就職の斡旋、失業給付など面倒を見て雇用市場の流動性を高めている。税制も法人に有利なように、起業しやすいようにして、とにかく経済活動がしやすいスタイル。そういう国々が勝っていると言われていたんですね。

ところが2007年くらいから急激にドイツが伸びてきた。ただ、これはやっぱりユーロ危機にともなうユーロ安の恩恵です。

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