圧倒的な迫力・美・香り

環境省の調査では、目の高さの幹回りが3メートル以上の巨樹は全国に約6万8000本あるという。その中で、1位の縄文杉は見る人を圧倒する重量感、2位の縁結びのカツラは独特な枝の連なりなどが評価された。

ランキングの樹木のほかにも特徴が際立つものは数多い。熊本市の「寂心さんのクス」は枝の端から端まで約60メートルもあり、「枯れている枝が無く、樹形のバランスは日本一」(高橋弘さん)。根の迫力では、熊本県菊池市の「村吉の天神さん」(イチイガシ)は根上がりがジャングルジムのように入り組んで「おどろおどろしいインパクト」(本間良二さん)がある。高知県土佐清水市の「石抱アコウ」は「無数の石を抱き込みながら成長している」(蟹江節子さん)という。

巨樹の多くは信仰や伝承を通じ人に守られ伐採を免れてきた。現在も多くの巨樹で地元の人々が保存活動に取り組む。東京都杉並区の「トトロの樹」(ケヤキ)はマンション建設で伐採されるところ、住民が保存を求める署名運動を展開。最終的に区が土地を購入し「坂の上のけやき公園」として整備した。

震災の被害が大きかった岩手県の三陸地方にも巨樹は多く、杉原梨江子さんは大船渡市の「大船渡の三面椿」や「三陸大王杉」などを挙げた。

全国の巨樹の情報は「全国巨樹・巨木林の会」のホームページなどが詳しい。また、巨樹を見学するときには最低限のマナーを守りたい。例えば、巨樹の周りに柵やロープが張ってあったら絶対に中に入らないこと。倒れたり枯れたりした巨樹は多く、根回りの土を踏むだけでも悪影響を与える場合がある。

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表の見方 数字は選者の評価を点数化。最後に推定樹齢と樹高、幹回り、アクセスを掲載。

調査の方法 全国各地の巨樹・巨木に詳しい専門家に、誰でも交通機関を利用したりハイキングで歩いたりして見に行けて、樹高や幹回りだけではなく、巨樹の迫力とエネルギーを感じることができる木を、順位を付けて選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)

岡山瑞穂(樹木医)▽加瀬直弥(国学院大学専任講師)▽蟹江節子(ライター)▽杉原梨江子(巨樹研究家)▽染野豊(東京ローン・サービス社長)▽高井研一郎(漫画家)▽高橋進(全国巨樹・巨木林の会会長)▽高橋弘(巨樹写真家)▽長沢典子(自然観察指導員)▽永瀬嘉平(ナチュラリスト)▽平岡忠夫(巨樹画家)▽本間良二(スタイリスト)▽渡辺典博(巨樹写真家)

8位以外の写真は渡辺典博氏提供

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