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犬に向かって話しかける「間接話法」は、初対面の緊張をやわらげてくれる。写真はイメージ=PIXTA

犬に向かって話しかける「間接話法」は、初対面の緊張をやわらげてくれる。写真はイメージ=PIXTA

私が犬と散歩に出かける緑道は、朝から夕方遅くまで、犬の散歩をする人が途絶えることがほぼない。朝早くには出勤前に、日が落ちてからは帰宅後に愛犬を連れ出すマッチョなビジネスマン風が目立ち、午前中から昼間にかけては「定年世代のおじさま」が、午後から夕方にかけては「主婦風のおばさま」が多くなるという印象だ。

私は定年世代に属するが、散歩の時間を定めず、テキトーに出掛けているので、マッチョさん、おばさま、定年世代男性それぞれの「散歩の流儀」を目の当たりにすることができる。

散歩中、うちの犬(黒いトイプードル、名前はレオ)は人なつこい性格だから、どなたのどんな犬にもうれしそうにしっぽを振りながら「満面の笑み」でにじり寄ろうとする。これに対する反応が三者三様で興味深い。

マッチョさんの多くがワイヤレスイヤホンを耳に突っ込み、何かを聞きながら早足に通り過ぎていく。レオの付け入る隙はまるでない。マッチョさんもワンちゃんも忙しいのだろう。

笑顔と語りかけで始まる「飼い主トーク」

「定年世代のおじさま」は皆さん、なぜか不機嫌そうな顔をしている。のんびり愛犬と過ごせる「ハッピーリタイアメント」を楽しむ空気感はゼロだ。

そういう気配を読めないレオが「仲よくしましょう、ワンワンワン」と近づこうとした瞬間、飼い主さんの何割かはリードをグイッと強く引き寄せて「らっ!」と声を荒らげる。

レオのなれなれしさに怒っているのか、誘いに乗りかけた自らの愛犬をたしなめているのかは分からないが、とにかく「おじさんの不愉快度」はさらに急上昇。とても「いい天気ですねえ」などと言っている場合ではなく、「すいません」「ごめんなさい」と謝るしかない。犬を介した、男同士のコミュニケーションは思った以上に難しい。

その点でおばさま方はまるで違う。おばさまのデフォルト(初期設定)は笑顔なのだ。良好なコミュニケーションは、何より笑顔から始まる。

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