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ニッキィの大疑問

QR決済、なぜ増える? ネット企業や金融機関が注目

2019/5/21

――どのようなメリットがありますか。

サービスを提供する企業には分かりやすいメリットがあります。スマホを使うことにより消費者がいつ、どこで、何を買っているかを正確に把握でき、これまでのPOSレジやポイントカードよりも精度の高い購買データを集められます。こうしたデータは商品開発や販売促進など幅広い分野に活用可能です。

一方、消費者から見ると、従来は現金しか使えなかった場所でもキャッシュレス決済を利用できるようになれば、現金を持ち運ぶ必要がなくなり便利になります。ただ現在、日本でQRコード決済を使えるのは家電量販店やコンビニエンスストアなどが中心。こうした店舗ではすでにクレジットカードやICカードを使えるため、残高やポイントの還元が利用の大きな動機になっているようです。

――今後、競争はどうなりますか。

現在は競争が始まったばかりで、サービスが乱立気味です。ネット、通信、金融に加え、流通業界でも参入の動きがあり、さらに増えそうです。消費者の間には「どれを使えばいいか分からない」という声があり、小売店からも業務が煩雑になるとの意見が出ています。こうした課題の解決が必要です。

店頭などに掲示するQRコードでは業界団体が規格を統一する準備を進めており、レジの周辺がQRコードだらけになる事態は避けられそうです。小売店にサービスの導入を働きかける「加盟店開拓」でもLINEとメルカリが協力するなど合従連衡が始まっており、しばらくはこうした動きが続きそうです。

一番求められているのはQRコード決済ならではの利便性を打ち出すことです。例えばスイカでは切符の購入や精算の手間がなくなることが普及を大きく後押ししました。QRコード決済でもデータなどを活用した便利なサービスをつくることが定着のカギとなりそうです。

■ちょっとウンチク

「脱現金」利用者視点で

日本は「現金大国」といわれる。経済産業省が2018年にまとめた「キャッシュレス・ビジョン」によると、15年の日本のキャッシュレス決済比率は18%。90%に迫る韓国や60%の中国に加え、40~50%台の米国や英国などにも大きく引き離されている。

だが一方で、1人あたり3枚近いクレジットカードを持ち、JR東日本の「スイカ」は発行枚数が7800万枚を上回ったという現実もある。キャッシュレス化を進めるにはQRコードという「形」ばかりに拘泥せず、利用者の視点にたって既存のインフラの利用を促すといった取り組みも必要だ。(編集委員 奥平和行)

■今回のニッキィ
高倉 朝子さん 3年前から始めた茶道を月1回のペースで続けている。お道具、生け花、料理、書と日本の伝統すべてにつながっていることを感じる。「奥が深い。いつも新しい発見がある」
河野 美香さん はまっているのはクイーンで「ボヘミアン・ラプソディ」は2回鑑賞。フレディ・マーキュリーが存命中にライブに行けばよかったと思う。「いま聞くと、改めてしっくりくる」

[日本経済新聞夕刊 2019年5月13日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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