「平成の消費不振」本当? 手応えない支出に負の印象

花子さん 90年代に「ユニクロ」「無印良品」などが登場したからですね。家電製品はどうですか。平成はエアコン、高機能な冷蔵庫や洗濯機が登場したり、薄型テレビ、パソコン、スマートフォン(スマホ)が普及した時代ですよね。

田中さん エアコンや冷蔵庫、洗濯機を含む家具・家事用品は、17年は1万965円で89年比で11%も減りました。薄型テレビやパソコンを含む教養娯楽費は3万560円で3%増にとどまっています。低価格を売り物にしたヤマダ電機やヨドバシカメラなどが躍進したことも大きいです。では平成に急激に増えた消費は何だと思いますか。

花子さん 恐らくスマホの通信やデータ料なのでしょうか。

田中さん その通りです。こうしたものを含む交通・通信は17年では4万9496円で89年に比べて53%も増えています。保健医療も平成の時代に支出が増えています。17年と89年を比べると42%増の1万1511円です。

花子さん 保健医療への支出が急増しているのは高齢化の影響もあるのでしょうね。

田中さん 家計調査に協力する世帯主の平均年齢は89年の44.1歳から17年には49歳となっています。高齢化は否めません。健康意識の高まりでサプリメントなどの購入が増えていることも背景にあります。

花子さん 平成の初めと平成の終わりの消費支出があまり変わらないのに、なぜ消費は不振とか低迷と言うのですか。

田中さん おそらく、自分の意思が明確に働いて消費する金額が少なくなっているからだろうと思います。保健医療の支出は病気になったからやむなく支出するケースが多いですよね。光熱・水道、交通・通信のような公共料金への支出も同様です。この2つの費目は89年には消費全体の15%でしたが17年には22%まで増えています。手応えがない支出が増えたことが不振とか低迷というイメージになっているのでしょう。税金や社会保険料の引き上げによる非消費支出の伸びや将来の生活に備えた貯蓄を殖やそうとする動きも背景にありそうです。

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