石津祥介のおしゃれ放談

かばんの王道、ダレス・バッグを知っていますか 令和元年のビジネスバッグ(上)

2019/5/16

サムソナイトのブリーフケースを持つ会社員の安藤健治さん。丸みのあるデザインが柔らかくバランスがいい、と石津さん
安藤健治さんがふだん愛用するタンピコのトート。ジム通いをしているため荷物が多い。「きょうはコートも入っているんです」

――資料はパソコンにインストールして持ち歩かないので、仕事の荷物は減っているという人が多いようです。

鈴木「かばん選びの条件として、中高年は上質さと軽さを求めます。30、40代では見た目のスマートさプラス機能性をみる人が多いです。同じタイプならばぎりぎりA4サイズが入る一番小さいものを選ぶ傾向があります」

石津「革以外でいうと、こちらのトゥミはブリーフケース、ショルダー、リュックと3通り使える。見た目がシンプルだしマチもそれほど厚くないから無難です。ポーターのブリーフケースもベーシックです。最近の商品は機能性を重視して仕切りやポケットをいくつも付けていますが、僕はたくさん工夫してあるものは好きじゃない。ここに何を入れろ、みたいなことはいわれたくありませんから(笑)。かばんメーカーは考えすぎているんじゃないのかな。便利にしすぎることがかえって、使う人にとっての不便になっていることもあります。ポケットが多いとどこに何を入れるのか混乱します」

■ダレス・バッグは日本の呼称、本来はドクターバッグ

――充実した機能も必要ない人にとっては邪魔なものです。できる限りシンプルというと……。

石津「ダレス・バッグみたいなものだよ」

これぞ、メンズバッグの王道、ともいえるダレス・バッグだ。周囲からもおおっと声が上がる

――これですね。開口部が大きくて、中の作りは確かにシンプルです。(医師が持つ)ドクターバッグみたいですね。

石津「日本におけるビジネスバッグのエポックは何かといえば、ダレス・バッグでしょう。米国務長官を務めたジョン・フォスター・ダレスさんがよく持っていたことに注目して、日本のかばんメーカーが広めたんです。人の名前が付いた有名なバッグというと、これとエルメスのバーキンくらいじゃない。もっともダレス・バッグは日本でそう呼ばれていますが、本来はドクターバッグです。持ち歩く書類や道具が多い医師や弁護士が使っていたんだ。でもこれは軽いね」

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