がんにどう向き合う? 定期検診で発見、治療法は進歩

京都大学の本庶佑特別教授(左)の研究はがん治療薬「オプジーポ」につながった
京都大学の本庶佑特別教授(左)の研究はがん治療薬「オプジーポ」につながった

著名人の闘病公表などで、あらためてがんへの関心が高まっているようね。日本人は生涯のうち約2人に1人がかかるという一方、もはや「不治の病」ではないとも聞くわ。どう向き合えばいいのかな。

がんを取り巻く現状について、涌井久子さん(55)と斎藤厚子さん(58)が安藤淳編集委員に聞いた。

――日本のがんの実態はどうなっていますか。

がんは1981年から40年近く、日本人の死因のトップです。競泳女子の池江璃花子選手がかかった白血病は、血液のがんです。歌手の堀ちえみさんも舌のがんを公表しました。厚生労働省(速報)によると、2016年に新たにがんと診断された人は約99万5000人でした。部位別では大腸が最多になりました。

17年には、肺を筆頭にがんで約37万3000人が亡くなりました。以前は多くの人にとって、がんは死を意味し、本人に告知すべきかどうかも大問題でした。しかし、診断や治療技術が進み、不治の病の印象は薄れてきました。早期発見で胃がんや乳がんなど多くのがんを治療できます。

がん患者がどのくらい生きられるかを示す指標に「5年相対生存率」があります。がんと診断されてから5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生きている人の割合に比べてどれだけ低いかを示します。値が高いほど治りやすいと言えます。06~08年にがんと診断された人の5年相対生存率は、62.1%と6割を超えました。

――どのような治療法がありますか。

大きく手術、化学療法、放射線療法があります。免疫療法を加え4大療法とも言います。手術では、体への負担が少ない腹腔(ふくくう)鏡手術が増えてきました。手の震えなどがメスに伝わらずに手術ができるよう、支援するロボットも実用化しています。

化学療法では、特定の遺伝子変異で起きるがんをピンポイントで狙える薬が登場しました。免疫療法は、ノーベル賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授の発見をもとにした免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」が、高い治療効果をあげています。

ただ、オプジーボの当初価格は一人あたり年間で約3500万円しました。承認されたばかりのスイスのノバルティスの白血病薬も、米国並み価格なら1回あたり数千万円となります。保険が適用されますが、医療費が膨れあがる懸念があります。

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