「値上げ」多いのに上がらない 消費者物価のカラクリ

田中さん 生鮮を除くモノやサービスで「コアCPI」と呼ばれます。加工食品、電気製品、衣料品、公共料金、医療費、自動車など幅広い分野を網羅しています。17年度のコアCPIは前年度比プラス0.7%でした。プラスとはいえ、2%にはほど遠い数値です。

花子さん どうも私の肌感覚と違いますけど。

田中さん 生鮮を含む総合CPIやコアCPIは個々の商品やサービスの支出金額などに応じてウエート付けしています。キャベツは全体を10000とした場合、11しかウエート付けされていません。

花子さん では、どんな項目のウエートが高いのですか。

田中さん 例えば持ち家の帰属家賃は1499、電気代が356、通信料(携帯電話)が230などです。持ち家は賃貸住宅と同じようなサービスを生んでいると評価して推計します。17年度の帰属家賃は前年比マイナス0.2%でした。電気代は5.7%、通信料(携帯電話)はマイナス4.0%です。こうしたウエートの大きな商品やサービスの価格が下がるとCPIに大きな影響を与えます。

値上がりしているモノやサービスは増えてはいるものの、ウエートの高いものが値下げ傾向にあり物価を押し下げているようです。

主力プランの値下げを発表する楽天の大尾嘉宏人執行役員(14日、東京都世田谷区)

花子さん 新製品でそこそこ根が張るものも人気ですが。

田中さん 付加価値を伴った商品の売れ行きは好調なものも多くあります。ただまだシェアが高くないので消費者物価指数の調査対象商品になっていません。そうした商品が定着し、調査対象になれば物価上昇に寄与すると思われます。

花子さん ネット通販が物価に影響を与えることはあるのですか。

田中さん はい。価格比較が容易なネット通販は価格に敏感になります。ネット上での価格がリアルな店舗の価格にも反映され、それを受けてネット通販はさらに値下がりします。

日銀は18日にネット通販の拡大が物価を0.1%から0.2%下押ししているという調査結果を発表しました。物価は上がりにくい環境になっています。

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