「1000店いける!」と確信 悪評立地で次々成功「サイゼリヤ」創業者 正垣泰彦氏(7)

2号店が繁盛店になったので、3号店もすぐに必要だな。そう考えていた頃のこと。ある従業員が辞める口実に身内が亡くなったと言ったのがウソだと私にばれ、香典を返しに来た時「3号店を考えてるなら、良い所がある」と言うのです。場所は千葉県市川市にある駅の北口でした。

教えてもらった住所に行ったのですが、ジャン荘があるだけ。周辺を探してもそれらしき物件は見当たりませんでした。

セントラルキッチン的な大型店もオープン

仕方ないのでとぼとぼ帰ろうとした時、空き店舗と書かれたビラが貼られた物件が目に入りました。店舗面積はなんと約500平方メートル。十分にお客さんが入るのでは。そう思って、管理会社に連絡を取りました。

管理人と待ち合わせして中に入ると驚きました。店舗面積の半分が厨房スペース。調理機器もそのまま残っている。「こんなに広いのか」。なるほど、これでは普通なら厨房スペースを持て余してしまう。「お兄ちゃん、うんと安くするから借りてってくれよ」。管理人に何度もお願いされました。借り手を探すのに苦労していたのでしょう。

お願いされるも何も私からしてみれば、「こんな良い所が天から降ってきたのか!」と舞い上がっていました。厨房が大きければここで加工した食材を他の店舗に持って行き、仕込みが効率化できるとひらめきました。今でいうセントラルキッチン(集中調理施設)のようなものです。「急いで契約を進めましょう」

開業すると3号店もお客さんでいっぱいに。市川には店を出し続け、マクドナルドが1店のところ、サイゼリヤは5店になりました。5万~6万人の小商圏で1店はできる計算なので、1千店は必ずいける!。チェーン店としてやっていけると確信しました。

ただ、セントラルキッチンはというと、なかなかうまくいきません。ピザを作って運んだら冷蔵庫が開けっ放しになったりと管理が大変。私自身で築地に行き仕入れを毎日していましたが、「いずれ限界が来るな」と頭を悩ませました。

[日経MJ(流通新聞)2018年4月25日付]

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