「恋」は男女ではくくれない 最新辞書、変わる解釈

辞書も受け入れ始めたジェンダー意識

すなわち「恋」は「男女の間」だけではないとの認識を明らかにするため、新版では「相手」という言葉に代えている。以下も同様だ。

「恋路」(第5版):男女の恋心の通いあうことを、みちにたとえたことば

「恋路」(第6版):二人の恋心の通いあうことを、みちにたとえたことば

旧版の「男女の恋心」を新版では「二人の恋心」に改め、ジェンダーフリーに目配りのきいた語釈に大きく舵を切った。

「恋愛」(第5版):一組みの男女がおたがいに恋したうこと

「恋愛」(第6版):二人が恋をしたり、愛し合ったりすること

「一組みの男女」を「二人が」に変えている。「恋、恋愛、恋路」という、どちらかというとふんわりした言葉から、「高校生向き辞書」としてはやや踏み込んだ言葉についても見てみよう。

「性」(第5版):(3)異性に関心を持ち、肉体的に結びつきたいと望む本能 (4)(男女の)肉体的な交わり。セックス

「性」(第6版):(3)恋をして、相手と肉体的に結びつきたいと望む本能

※第5版にあった(4)の記述は省かれている。

ちなみに2018年1月、10年ぶりに改訂された「広辞苑 第7版」の「性」の項目は「性的な行為」に一切触れていない。そこでストレートに「性交」についての語釈を見たら「へえ」だった。「男女の性的な交わり。交接。房事」などとあり、明確に「男女間で行われる営みだ」と記述している。「日本一有名な辞書」は「恋愛」についても「男女が互いに相手をこいしたうこと。また、その感情」と記している(「現代新国語辞典」と「広辞苑」のどっちがいいとか悪いとか言ってませんよ)。

話を戻す。せっかくだから、今回の話題の中心である「三省堂 現代新国語辞典 第6版」の「性交」はどんなふうに記述されているのかを見てみる。

「性交」:男女の性的なまじわり。また性的にまじわること

あれ? 「男女」と明示、限定されている。第6版で貫き通していたはずの、「両者を「男女」と特定しない「ジェンダーフリー的語釈」」はどうなった?