伝えたいコメの味わい 「コメを売る職人」目指す五ツ星お米マイスター シブヤ代表 渋谷梨絵さん

米穀店の枠を超えて表舞台に立つ覚悟

農家がコメを作る職人なら、自分はコメを売る職人でありたい。そんな思いで「できる限りのことをしよう」と、チャンスがあれば様々な場に出ていくようにしました。お米マイスターとして企業のテレビCMに出演したことをきっかけに、テレビ、新聞、雑誌などのメディアでコメや雑穀について語る機会をいただくようにもなりました。

活動の幅はさらに広がり、米ぬか・雑穀を使った商品の開発、幼稚園・保育園での食事アドバイス、テレビショッピング番組への出演など、いわゆる米穀店の仕事の範囲を超えた活動も増えています。

商品開発や子供向け食事アドバイスなど、活動の幅は広い

「米穀店が表舞台にしゃしゃり出るのはどうなのか」という葛藤は常にあります。メディアに出ることで厳しい意見にさらされることもあります。でも、これがコメ業界の適正な経済活動の維持につながり、同時に多くの人にコメの魅力や食の大切さが伝わるならば意味があると信じています。

とにかく日本人にもっとコメを食べてほしいです。「毎食をごはんに」とは言いませんが、「3食のうち1食はごはんを食べてほしい」という願いを込めて、声がかかる限りはコメの専門家として、ありとあらゆる方向で表に立って活動していこうと思います。

遅咲きするはずの自分を楽しみに

「そんなに働いてばかりで楽しい?」と友人に問われることがあります。確かに忙しい日々ではありますが、母親が責任を放棄することなく子育てをするように、私にはコメといういとしい存在があり、農家さん、お客様、一緒に働くスタッフという背負うべき大切な人たちがいます。

幸い、活動の内容がバラエティーに富んでいるので、飽きることがなく、今は一つひとつのミッションをまるでゲームをクリアしていくように楽しんでいます。占いができる方から「渋谷さんは遅咲きの人」と言われたことがあります。「いったい私はいつ咲くのかしら?」と思いつつ、50歳代、60歳代を迎えたころに花開くことを楽しみに、まだまだ頑張っていこうと思っています。

取材後記

取材に訪れた松屋銀座の店頭では、量り売りのコメや雑穀が並び、精米機が音をあげていました。渋谷さんに好みのコメを聞くと、「あっさり味のしっかりしたコメが好きです。商品選びはもちろん私の好みだけで決めませんが、評判がよくても自分が食べて納得できなければ扱いません」ときっぱり。

さらに注目の新品種について尋ねると、「山形県『つや姫』の弟分としてデビューした『雪若丸』は一粒一粒しっかりしています。そのままでもおいしいですが丼ものやカレーライスにも向いています。価格も比較的リーズナブルです。また、コシヒカリを生んだ福井県から生まれた『いちほまれ』はコシヒカリの魅力が全方向にひとまわり大きくなったようなコメ。注目です」とのこと。新米の季節、新品種の食べ比べをしてみたくなりました。

渋谷梨絵
五ツ星お米マイスター、シブヤ代表、「米処 結米屋」オーナー。IT(情報技術)企業勤務の後、2002年から家業の米穀店を継ぐ。ごはんソムリエ、雑穀エキスパートなどのプロフェッショナル資格を持ち、各種メディアを通じてコメや雑穀の普及に務める。

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