有休義務化、何が変わる? 年5日は必ず消化へ

有給休暇の取得率が95%を超えているSCSKは有休取得に報奨金を出している(東京・豊洲)
有給休暇の取得率が95%を超えているSCSKは有休取得に報奨金を出している(東京・豊洲)

休暇中も賃金が支払われる年次有給休暇(有休)の制度が変わるって聞いたわ。従業員が有休を取ることを企業に義務付けるそうよ。これで本当に休めるようになるのかな。

有休取得の義務化や今後の課題などについて、堀越比登美さん(53)と植木樹理さん(42)が石塚由紀夫編集委員に聞いた。

――有休取得の制度が変わるそうですね。

年10日以上の有休が与えられている社員について、年5日は必ず取得させるように企業に義務付けます。中小企業を含めすべての企業が2019年4月からその対象です。働き方改革の一環で労働基準法が改正されました。過重労働を防止し、休むときはしっかり休んで仕事の生産性を高める狙いです。

有休は働く人の権利。いつ何日取得するかは「時季指定権」と呼ばれ、働く側が原則自由に決められます。ただ、職場への気兼ねなどがあり、なかなか有休を取りません。そこで会社側に消化義務を負わせることにしました。5日分については本人の希望を聞いた上で、取得させる日時を会社が指定し、休ませなければいけません。これにより年5日は必ず有休を取ることになるので取得率は今より底上げされるでしょう。

――日本の有休取得状況は海外と比べてどうなの?

厚生労働省調べでは日本の有休取得率は01年以降、5割を下回っています。国は20年までに取得率70%にすると目標を掲げていますが、実現は困難な状況です。世界30カ国・地域を対象にした旅行予約サイトの米エクスペディア調査(17年)では、ドイツやスペイン、フランスなど12カ国・地域が有休消化率100%に上るのに日本は50%で最下位でした。

第一生命保険が男女1400人を対象に実施した調査によると、有休取得にためらいを「感じる」または「やや感じる」と答えた人は6割超でした。「職場の人に迷惑がかかる」「後で忙しくなる」などがその理由。男性では「昇格・査定への影響が心配」を挙げる人も目立ちました。

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