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出世するなら人を出世させる 自分を消す「引き算」 経営コンサルタント 阪本啓一

2018/6/13

■わかりやすい変化を印象づける

マーケティングの鉄則ですが、お客様は「変化」を買います。美容院をイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。そして、変化はわかりやすいほどいい。DVDがVHSビデオテープを置換したことに比べて、ブルーレイがいま一つ普及しないのは、「変化」がはっきりしないからです。「音質とか画像がいいとかいうけど、正直、よくわからない」というのがみんなの本音ではないでしょうか。

「これ1台で、電話にもカメラにもビデオカメラにもパソコンにもクレジットカードにも地図にも本にも携帯音楽プレイヤーにもなるんだ」というわかりやすい「変化」があるから、スマートフォンはここまで普及したのです。靴や眼鏡のように、もはや人類のデファクトスタンダードな道具になりました。

変化をお客様にわかりやすく伝える。可能であれば、数字で。なぜなら、面談している窓口の人が決裁権限を持っていないこともあります。その場合、相手の上長に説明するにあたり、数字で伝えてもらうとわかりやすいし、伝達ミスが避けられます。省力、工程減、コスト減など、できるだけ数字で変化がわかるようにしましょう。

建材を扱っていた当時、私の体験した事例でお話しします。ある大型物件がありました。以前の私であれば、設計図を見るポイントは自分が売っている建材パネルの有無と、あった場合はその量でした。

事前にしっかり図面を読み込み、現場を訪問した私は、所長にこう質問しました。「この現場のテーマは何ですか? つまり、所長が最も心を砕いている課題についてお聞かせください」。答えは外壁仕上げのメンテナンス期間でした。材料のグレードにもよりますが、長くて10年、短い場合は5年経つと、塗装し直さなければならないのです。

コストのことを考えると、なるべく塗装し直すまでの期間は長いほうがいい。だから、ちょうど甲子園球場のように植物を壁につたわせるのだとのことです。

私は考えました。「植物は結構、重量が大きくなるのではないか。その重量を支えるために躯体の鉄骨は大きくなっているのではないだろうか」。技術担当と検討してみると、やはり植物のおかげで、鉄骨が大きくなっていることがわかりました。

そこで私は代替案としてメンテナンスフリーなパネルを提案しました。確実に鉄骨は小さくなり、コストは何千万円も安くなります。提案は採用されました。所長は当初見込んでいた以上の利益が期待できるとあって、とても喜んでくれました。

この案件のおかげで以後は所長から信頼してもらえるようになり、その後の彼の担当物件では必ずお声がかかるようになりました。

あるセンサーメーカーはタブレット端末に専用のソフトを入れています。営業担当者は客先で「この機械を採用していただいた場合の省力人数」を瞬時に出せる仕掛けです。内容は時差なく、その場で担当者にメールで届くようにしています。上長にそのままメール転送すればいいわけで、商談の速度も上がります。

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