出世ナビ

暮らしを変えた立役者

立ち食いそば一筋、走り続けて半世紀 職を転々の頃も 「名代 富士そば」創業者 丹道夫氏(1)

2018/5/25

大半が24時間営業の立ち食いそば店「名代 富士そば」は首都圏の1都3県に120店ある(東京都内の店舗)

 立ち食いそば店「名代 富士そば」を創業した丹道夫(たん・みちお)氏の「暮らしを変えた立役者」。第1回は母の再婚、幼かった日々を語ります。

◇  ◇  ◇

 立ち食いそば店「名代 富士そば」を手掛けて半世紀になります。会長を務めるダイタングループの店舗数は120(記事初出の2017年5月31日当時)。首都圏の1都3県に広がり、ほとんど24時間営業です。長男に社長を譲ってからは海外でも出店を始めました。

 1杯300円程度の立ち食いそばで国内売上高100億円。ここに至るまで、職を転々としましたし、浮き沈みもありました。若い頃にはお金がなくて野宿をしたこともありますし、高級外車に運転手付きで毎晩豪遊していたこともあります。そんな私ですが、30歳過ぎで立ち食いそば1本でやるぞと決めてからは脇目も振らず、よくぞここまで来たなというのが率直なところです。

 店は私にとって子供みたいなものです。今も日々足を運んでいます。従業員に手土産の和菓子を持って。店でチェックするのはスープの濃さと天ぷらの衣の厚さ。ダシが薄くないか、一口飲めばわかります。

 日々の売上高は手帳に書き留めています。最近は外国人観光客もよく食べに来るようになり、売り上げが伸びています。外国人にとってなじみのある「富士」が店の名前に入っているのがいいのでしょうか。

 お客はもっぱらサラリーマンですから、1週間で一番売り上げが大きくなるのは金曜日です。休みの前、一杯やって、シメに食べに来てくれます。ですから、雨が降ると、売り上げはさっぱりダメ。飲みに行かないから。50年前も今も変わっていません。

 私が生まれたのは昭和10年(1935年)、日中戦争が始まる2年前です。愛知県で生まれて、すぐに父が亡くなり、母の実家がある愛媛県西条市に移りました。ものごころがつく前に亡くなったので、実父の記憶は全くありません。

出世ナビ新着記事

ALL CHANNEL