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暮らしを変えた立役者

暴走族に「入店条件」突きつける 多店舗展開を準備 すかいらーく元社長 横川竟氏(9)

2018/2/23

本格的なセントラルキッチンとして完成させた東松山工場(埼玉県東松山市)

 すかいらーく元社長の横川竟(よこかわ・きわむ)氏の「暮らしを変えた立役者」。第9回はすかいらーくの多店舗展開に向けた助走期の取り組みを語ります。

◇  ◇  ◇

 地元暴走族との交渉はきわめて単純だった。来店前に注文は3品に絞ること、来店者数を事前に伝えることを守ってくれさえすれば、入店拒否はしないという内容だ。

 店に危害を加えることはなかったが、土曜日は一般の客が怖がって店に近寄らない。実はパトカーが暴走族によって壊されるという事件も起きていた。もっとも彼らも行くところがないし、交渉によって制御はできた。そのうち他のファミリーレストランが相次ぎ開店。すかいらーくとは違い「条件」もないので暴走族はそちらに流れていった。

 昭和40年代後半(1970年代前半)、すかいらーくは東京都八王子市、調布市と徐々に広がっていったが、相変わらず資金は乏しく、成長力を欠いていた。

 ある日、行きつけのガソリンスタンドの店長に「店を作りたいけど、お金がなくて」とこぼした。すると店長の父親が自分の土地を店に使ってもいいと言っているという。これがきっかけで面白い出店方法を発案した。

 「あなたの土地にあなたのお金で店を建てて下さい。我々が土地のリース代と店舗の使用料を払います」と提案した。初期投資がほとんどなくても多店舗展開できるのが最大のメリット。この「すかいらーく方式」は後に様々なチェーンが取り入れた斬新なアイデアだった。

 昭和49年(74年)にオープンした三鷹店(東京都三鷹市)がこの方式で建てた1号店。この店が大当たりして、開店から1カ月半の売り上げですかいらーく2店を出せるほどの繁盛ぶりだった。

 出店についてはフォーマットができた。だが満足できない。チェーン経営というのは料理、人材、店舗についてそれぞれの戦略が欠かせない。

 店舗の場合、工期を短くしていかに無駄を削減して建てるかが重要になる。地元の建設会社と組み、タイル、屋根、床など発注先を決めて、標準化を進めた。そのモデルが8号店となる武蔵野店(同武蔵野市)だ。

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