2018/2/16

暮らしを変えた立役者

自ら厨房にも入ったし、仕入れも担当するので寝ない日もしょっちゅう。それだけではない。例えば店舗裏のゴミ置き場は自分でブロックを積んで作ったし、3号店となる小金井店の排水溝も自ら掘ったぐらいだ。

苦心しながらも多摩地区にすかいらーくは広がっていった。モータリゼーションが後押ししてくれたわけだが、そのことで面倒なことも起きた。三鷹店が地元暴走族のたまり場になってしまったのだ。土曜日の深夜になると、100人近くが押しかける。店長も手を焼いて、私に来てくれと言う。

店に入ろうとする車がぶつけられたり、脅されたりするので、他の客は全く寄りつかなくなる。そのうち、暴走族のリーダーが調布市の八百屋の息子だということが分かった。

店を壊すなど器物損壊はしないが、不安が残る。そこで今では信じられないことをした。弟の紀夫が暴走族のリーダーの家へ出向き、来店の条件について話し合いの場を持ったのだ。

[日経MJ(流通新聞)2016年8月19日付]

※「暮らしを変えた立役者」は金曜更新です。