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アシックス=部活用品のイメージ、五輪で変えたい アシックスの尾山基会長兼社長

2018/1/20

アシックスの尾山基会長兼社長

 スポーツ用品メーカー国内最大手のアシックスは機能性などを強みに、中学、高校の体育や部活ではトップシェアを誇る。ただ、一歩、街中に出ると、シューズやウエアでは米ナイキなどに後れを取っている。2020年の東京五輪のオフィシャルスポンサーになった同社の尾山基会長兼社長は「五輪を契機にして、ブランドイメージを刷新する」と意気込む。

■学校スポーツに集中しすぎた

 ――欧米に比べると日本ではブランド力がいまひとつのようです。理由をどうみていますか。

 「中学、高校の部活まではアシックスブランドは強いんです。高校のバスケットボールシューズの占有率は55%超です。ただ、大学に行くとナイキや独アディダス。体育や部活のきつさなどから逃れて、やっと自由になったのになんで(アシックス)となってしまった。気づくのも遅かった」

 「90年代はスニーカーブーム。ファッションとしてのスポーツウエアの流れに乗れば良かったのに、学校スポーツ、競技スポーツに集中してしまった。もともと機能性などで強かったこともあり、世の中の流れに背を向け、暗黒の20年でした」

 ――事業環境の違いも大きかったですか。

 「(日本の百貨店のように)返品OKのような商習慣があると、なかなか厳しい。靴は返品されてもまた店頭に並べられますが、アパレルはアウトレットか焼却処分。粗利益率で10ポイント以上下がります。メーカーと小売り、消費者の間に問屋が入る流通構造も日本独特。当社の人間も、小売りや問屋ばかり見ていました。今のお客さん向けなのに3年間、商品を変えていない例もありました」

 「過去と決別するため、15年に約350人の希望退職を実施しました。販路も見直しています。全世界の取引店をAからCに分けて、年に1回見直しています。ちょっと格好いい商品を出そうとしたら、日本では既存のスポーツ小売りだけでなく、ネットと直営店に力を入れないと。東京・銀座のように賃料の高い場所に店を出す場合、高級ブランドのように、地域全体で採算を考えて判断するようにしています」

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