株式公開より自由な働き方を ミレニアル世代の起業観
気になるミレニアル世代!(4)
低成長の時代に生まれ育ったミレニアル世代は「寄らば大樹の陰」といった意識が薄く、一般に大企業を飛び出して起業することにも比較的抵抗感が少ないといわれます。デロイトが世界のミレニアル世代を対象に毎年行っている「ミレニアル年次調査」によれば、「もし選択できるならば、次の会社もしくは何か違うことをするまでどのくらいの期間、現在の会社に勤務しますか」との問いに対し、「2年以内に退職する」と答えた人は2017年時点で38%となり、「5年以上勤続する」の31%を上回りました。
一方でマンパワーグループが2016年に実施した調査で、世界のミレニアル世代に「死ぬまで働きますか?」と質問を投げかけたところ、日本で「死ぬまで働く」と答えたミレニアル世代は全体の37%にのぼりました。もっとも、国ごとにみると日本はその比率が次に高かった中国(18%)などに比べて突出して高いとはいえ、仕事を人生をかけた「持久走」のようにとらえている姿は、少し意外に見えなくもありません。
では、実際に起業に踏み切った人はどんな人生設計や職業観を持っているのでしょうか。バブル世代の「モーレツ主義」とはずいぶん違った意識がそこには透けて見えます。「SAIが行く!」では、音楽情報メディアを仲間と立ち上げた30代前半の起業家に崔真淑がインタビューしました。
その理想とする企業経営のあり方、資金調達の方法には独特のこだわりがありました。自らが理想に描くライフスタイルが根底にあり、それを実現できる働き方や企業経営スタイルを編み出しているのが特徴です。この起業家は「IPO(新規株式公開)より、ICO(新規通貨公開)」と話し、企業の成長シナリオに関してもITバブルのころによく見られたベンチャー経営者とは大きく違う考え方を持っていることが浮き彫りになりました。いったいどういうことなのでしょうか?
気になる世界経済、日本の景気の行方はどうなる? 経済を動かすカギとは? 日経CNBCコメンテーターの崔真淑が取材する番組「SAIが行く!~ウーマンエコノミストの気になる今!~」のリポートをお届けします。毎週木曜日掲載。
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