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食の豆知識

旬のひんやりキュウリ 江戸の武士にはご法度だった?

2017/5/31

PIXTA

 昨年、うだるような暑さの真夏に小江戸川越を訪れると、一番街に行列ができていた。一体なんだ?と野次馬してみると、行列の先で売られていたのはよく冷えたキュウリの一本漬け。串にさされた冷え冷えのキュウリは、暑さにバテ気味の身にはなんともおいしそう。

 ハウス栽培のおかげで1年じゅう食べられるキュウリだが、元々は夏野菜。旬は6~8月。これから露地ものがおいしくなる季節を迎える。

冷やしきゅうり=PIXTA

 キュウリは水分やカリウムを多く含み体を冷やす働きがある。人々が涼を求めてキュウリにむらがるのはきっと本能だ。

 キュウリは6世紀後半に中国から伝来し、江戸時代には野菜として広く栽培されるようになった。漢字で書くと「胡瓜」だが、元々は「黄瓜」だ。

 私たちがよく目にするキュウリは深緑色のものがほとんど。緑色なのになぜ黄瓜?と思われるかもしれないが、元々キュウリは熟すと黄色くなるもので、昔は黄色いものを食用としていた。味も今よりもずっと苦かったらしい。

キュウリは熟すと黄色くなる=PIXTA

 家庭菜園をやっている人なら、緑のキュウリをほおっておくと、だんだん黄色く熟していくのを見たことがあるかもしれない。黄色い瓜だから「黄瓜」が語源と知れば、納得できるだろう。

 現代、市場に出回る青々しいキュウリは未熟果で、ほっそり緑色であるのは長年の交配のたまものだ。

 一方で、各地に残る伝統野菜、いわゆる地キュウリには昔ながらのキュウリの姿が残っている。たとえば、青森の糠塚キュウリなどは全体的にずんぐりと太く色も白っぽい。加賀太キュウリなど太くて煮物に使われるものもある。

キュウリのぬか漬け=PIXTA

 キュウリを使った料理といえば、サラダや酢の物がまず頭に浮かぶが、生食に飽きたら炒めてもいい。キュウリチャンプルーにすれば炒めキュウリのポクポク食感が意外にいける。ぬか漬けもおいしい。

 ほとんどが水分で栄養分が乏しいキュウリだが、ぬか漬けにすればぬかのビタミンB1を一緒に摂ることができる。いわば昔の生活の知恵だろう。

宮崎県の冷や汁=PIXTA

 宮崎県に伝わる郷土料理の「冷や汁」は、アジなどの魚を焼いてほぐし、焼き味噌と一緒にのばし、豆腐や青じそ、キュウリなどを入れて汁にしたもの。これを麦飯にかけて食べる。

 農繁期に農作業の合間に食べられ、ぶっかけ飯ながら栄養もしっかりとれるアイディア料理だ。キュウリが味のアクセントになっている。食欲ダウンしがちな梅雨から夏場には嬉しい一品だ。

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