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たまごふわふわ 江戸時代のセレブ料理、名は体を表す

2017/5/23

「たまごふわふわ」。静岡県袋井市のご当地グルメとして知られる。一風変わった名前だが、実は江戸時代に誕生した歴史と伝統を誇る料理だ。

1626年に京都二条城で開かれた将軍家の饗応料理の一品にもなっていたと記録に残っており、1813年に大阪の豪商が書いた日記にも「東海道袋井宿の大田脇本陣で朝食の膳にのった」と書かれている。

当時、卵は贅沢品。将軍家の宴席や身分の高い旅行者のための宿泊施設だった本陣で提供されていたことからも分かるように、たまごふわふわは、選ばれし人だけが口にすることができた「セレブの料理」だったのだ。

袋井宿東本陣公園 本陣の間取りが分かるように石や芝生を配列

さて、そのたまごふわふわ、いったいどんな味なのか? それを確かめに、江戸と京都を結ぶ東海道の、ちょうど中間点に当たる旧宿場町、袋井を訪ねた。

袋井宿は、本陣3軒、旅籠50軒が連なり、諸大名の参勤交代をはじめ、商人など多くの旅人でにぎわっていた。残念ながら、現在の袋井にその面影はない。東本陣公園や東海道どまん中茶屋など、再建された建物が、当時のにぎわいをうかがわせる。

実は、たまごふわふわも再現された味だ。途絶えていた調理法を、当時の資料をもとに、レシピにした。材料はだし汁と調味料、卵のみ。だしに決まりはなく、袋井でもお店によって味わいが違う。

ハンドミキサーを使って泡立てる

だしには砂糖、薄口しょうゆなどを加えて味を調える。半分を土鍋に注ぎ、残り半分はみりんとともにボウルに入れ、そこに卵を割り入れる。ハンドミキサー、なければ泡立て器を使って泡立てる。

今でこそ、ハンドミキサーのスイッチを入れればわずかの時間で泡立てられるが、江戸時代は箸を使って泡立てていたはず。さぞかし大変な作業だったに違いない。

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