皿の干物、皮が上か身が上か 金目の干物、関東だけ？
干物（6）
前回、ドライフルーツの話題が出た。この間からデスクと干物の中にはドライフルーツやビーフジャーキーのような肉を乾燥させたものも含まれるのかという話をしていた。「果物の干物」とは言わないので本来は乾燥魚介を指すのだろうが、面白ければ何でもいいです。
デスク考察 じゃ、切り干し大根は野菜の干物？ でも、先日築地に干物を買いに行ったら干物は魚屋で売っていましたが、昆布や鰹節は「乾物屋」で売られてました。この「差」はどこにあるんだろう？
そうやってしばらく考えてなさい。
この情景は美しい。ピンクの誘惑。
焼きそばに干し桜エビを入れると美味しいですよ。桜エビの単価が高いので近所の焼きそば屋でもめったにメニューに載せません(裏メニューかも)。
最近、地元の由比漁港「桜えび祭り」で生桜エビを食べたらヒゲがなく目からウロコでした。新鮮だと気にならないですね。生桜エビは朝水揚げしたら夕方まで持たないそうです。地元だけの美味しい特権です。近所のスーパーにも稀にあります。
ピンクついでに干物ではないが駄菓子屋で「いちご大福」ジュースをみつけました。チェリオのペットボトルで、飲んでみたら薄いイチゴ牛乳じゃないのかなぁ。大福は入ってませんでしたよ(あたりまえか)。もう売ってないと思います（富士宮やきそば学会IT推進担当、宮さん）
富士宮で食べたお好み焼きには桜エビが大量に入っていた。うまかったなー。送っていただいた写真のきれいなこと！
ところで、エビを食べたら目からウロコが落ちたというのは不思議な現象である。意味わかんない？
私はこのメールで目からウロコだった。干物は皮が上か身が上か。
そう、私の家では干物を焼いたら皮目を上にしていました。開いた内側である身を上にすることは絶対にあり得なかったのです……昔の教育なのかもしれませんが「皮に栄養がある」と親はしつけていたので、皮もきれいに食べます。皮を残すのは、皮が硬いほっけぐらいです。当然、居酒屋で覚えたほっけは例外的に身が上でも抵抗がありません。
なお、関東では皮が上で関西は身が上という説を聞いたことがありますが、真偽のほどは不明です。
私の家では、朝食は昔からパン食なので「干物は朝食に食べるものだ」という世間の常識を知らずに育ちました。干物と納豆が普通に夕食に出てましたが、それを友人に話したら「それは変」といわれました。本当に変でしょうか？（文守こまいぬさん）
私自身がどうやっているかと考えてみると、えーっと、干物を焼いたら皮を上に皿に盛り、食べるときは皮の方から箸をつけるが、そのうち身を求めて裏返したり元に戻したりしている。
そういえば、どこかで干物を食べたときは皮を上にして出てきたが、別のところで食べたときには身が上になっていた。果たして地域性か個人の好みか。背開き・腹開きとともに興味深い点である。
夜に干物や納豆を食べるのがヘンなら東京の居酒屋にはヘンなおじさんたちが山のようにいる。私もその一人である。酒の肴に納豆を頼むことが珍しくない。居酒屋で干物は定番のメニュー。心配せんでん、よか。
デスク反論 僕は「身が上」がベストですね。ホネの付いてる方のホネの上の薄い膜のような部分がとても美味しいのですよ。ホネからぺりぺりはがして食べる。皮が上じゃ、ここ食べられないじゃない！
エミー隊員は？
エミー隊員 いや、出されたように食べますけど・・・。おおざっぱですか？
まあ、いいけどね。そんなことは、どうでも。とりあえず、今オレはモウレツに金目鯛の干物が食いたい。あと仙台味噌の新じゃがの味噌汁が飲みたい。そんな朝食にものすごく恋している（西荻の怒髪天娘さん）
金目鯛の干物って関東地方でしか食べないのか？ 伊豆・稲取が金目鯛で有名。ここでは鮮度がいいのでもっぱら刺し身、煮付け、焼き、鍋などで食べるようだが、全国的に金目鯛の干物は食べられているであろうか。この点についてもメールを待ちたい。場合によっては金目鯛の干物を食べないのはここ！ みたいな地図ができるかもしれない。
デスク意味なく絶叫 キンメは「漬け」がサイコー！
北海道はいま山菜シーズン真っ盛りです。遭難にかかる自己責任費用負担の恐怖とクマさんと出っくわす恐怖と戦いながら皆さん善戦しておられます。先頭切って行けば収穫は多いけど、危険も多く……葛藤！ 先週はタランボの芽とウドの天ぷらをたらふく食べました。うまかったあ。
最近主婦やってますが、ついつい大好物な豚バラ主体の献立になり妻に怒られています。何たって、何がおいしいって魚の中ではサバ、肉の中では豚バラにまさるものはありませんからねエ～（石仏頭（鯖バラ大好き）@江別さん）
ということなのでエミー隊員、お二人の橋渡ししてください。
エミー隊員 あいあいさ～。
京都オフ会は臭いモノ大会の様相を呈しそうであるが、北海道もクサヤ登場の気配。臭いモノならデスク御用達のこの物件か。
それから、ウォッカを冷凍庫で冷やしてストレートで一緒に召し上がって下さい。ウォッカはもちろん一気飲みです。お猪口サイズのグラスですが。
で、お酒を飲む前に毎回1曲歌を歌ってください。同時に食べるものは、ゆでたポテトなどだと思います。好みでサワークリームやディル、芽ねぎなどを薬味代わりにつかうといいかと思います（スウェーデン在住のジミー倉本さん）
バケツの水の中で缶を開ける。なるほどねー。京都オフ会の皆さん、ご参考に。
ここでデスク乱入 なるほど そうか、そもそも「水で洗って」食べる物なんだぁ。どうりで塩辛いと思った！
「なるほど」で思い出した。
会話の中に「なるほどですねー」と「ですねー」をつける人がいたらほぼ確実に福岡県人である。福岡県人は「なるほどですねー」が方言であることに気づいていない。ね、そこのあなた、気づいとらんやったでっしょ？
エミー隊員 「すいばりがたつ」のは方言だとこの前知りました。田舎ものです。
何それ？ どういう意味？
エミー隊員 木の細ーい破片が指に刺さっちゃううことです。
ところで、なぜこの物件を食べるとき歌を歌わなければいけないのかという疑問が残る。そうでもしないと人間が臭いに負けるからであろうか。正気を保つためであろうか。
今週はそろそろ閉店。バイバイね。
（特任編集委員 野瀬泰申）
［本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています］
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