船橋ソースラーメン 復活遂げた個性派ご当地ラーメン

札幌は味噌、函館は塩、九州はとんこつ…。人気のご当地ラーメンは、いずれも味の個性が際立っている。そんな中で、首都圏にも、実に個性的なご当地ラーメンがある。千葉県船橋市の船橋ソースラーメンだ。

味噌や醤油に代わり、ウスターソースを味のベースにしたラーメンで、戦後、京成船橋駅近くにあった「花蝶」という店で誕生したと言われている。船橋や西船橋周辺の古くからあるお店で提供され続けていたが、近年は忘れ去られた存在になっていた。

そんな船橋ソースラーメンに光が当たったのが2012年。市内のラーメン店を中心に「船橋ソースラーメンプロジェクト」が発足、各店がそれぞれのスタイルでソースラーメンを提供するようになった。

ソースラーメンには2つのタイプがある。味噌や醤油の代わりにソースで味付けしたラーメン風と青森県黒石や栃木県那須にあるようなやきそばがつゆだくになったやきそば風の2種類。ソースラーメンプロジェクト以前は、大神宮下にあった「かにや」がラーメン風、西船橋の「まる」がやきそば風だった(いずれも現在は閉店)。

ソースラーメンプロジェクト以前からソースラーメンを手がけている京成船橋駅に近い「大輦(だいれん)」、ららぽーとに近い「浜町一番」は、いずれもやきそば風の仕上がり。具のキャベツがいかにもやきそばルーツを感じさせる。

一方で、ソースラーメンプロジェクトとともに誕生したソースラーメンはラーメン風のものもある。
船橋市役所そばの「阿修羅」は、スパイシーなソースを強調したスープが特徴だ。

相変わらずのつけ麺人気だが、ソースラーメンにもつけ麺がある。西船橋の「麺屋あらき竃の番人外伝」では、今風の魚粉を効かせたソースつけ麺を提供する。
老舗の「大輦」にもつけ麺がある。追加注文のハムカツをトッピングすると、ソース味がいい塩梅だ。

都心から30分ほどの船橋。個性的なラーメンを求めて、週末に足を伸ばしてみてはいかがだろうか。
(渡辺智哉)
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