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表情・言外にもヒント

東日本旅客鉄道(JR東日本)の広告子会社、ジェイアール東日本企画(東京・渋谷)で営業を担当する坂本真美さん(30)。大手銀行のウェブプロモーションの受注が評価されて昨年、社長表彰を受けた。顧客に「この人に任せると楽だ」と思わせる顧客本位の営業手法で、新規顧客を開拓している。

JR東日本企画は電車内の中づり広告が主力だが、「顧客の課題によって、最適な広告メディアは異なる」とテレビやネット広告も坂本さんの守備範囲だ。

「広告効果って分かりにくいんだよね」。大手銀行のカードローンのキャンペーンの担当者は悩んでいた。そんな悩みを坂本さんは察知。「ウェブなら閲覧数とお客の獲得数で効果を測れますよ」と提案し、12年度に数千万円のウェブプロモーションの仕事を受注した。キャンペーンは無事に成功した。

カードローンの担当者が「坂本さんのチームはやりやすいよ」と、住宅ローンや預金口座の開設の担当者らを紹介してくれた。当初は数千万円だったこの銀行からの受注額が14年度には20倍に拡大した。坂本さんは大口顧客の開拓が評価され、社長表彰を受賞した。

嫌なことも聞く

坂本さんのモットーは「お客さんが楽できること」だ。例えば、広告の企画書は可能な限り顧客のフォーマットにあわせる。「お客さんが書類をそのまま上司に回せたら、仕事は早く回る」という。そのためには顧客企業の決裁のステップも把握する必要がある。「便利な人たちと思われれば、次も使ってもらえる」という。

坂本さんの手帳には顧客との面会予定がびっしりと書かれている。電話やメールからは分からない、顧客の課題を知るためだ。坂本さんは相手にとって嫌な質問もストレートに聞く。言葉に出なくても表情や会話の間、「うーん」「そのー」などの言葉から重要なヒントが得られるという。携帯電話やインターネットで便利になっても「物理的な距離は縮まらない」と笑う。

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