構造改革は、大都市圏への人口再集中から始めよ
『ニューノーマル』―不動産市場を通して読む―(第3回)
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一国の経済が長期停滞に転化すると二度と反転することができない。過去約20年(1996年以降)の日本経済を振り返ってみるとこれは真実と言えるだろう。まず、日本の実質GDPの成長率は、1980年~95年の間は年平均3.5%であったが、1996年~2015年の間は年平均0.8%と落ち込んだ。IMFの予測によれば2016年~21年は年平均0.5%へとさらに落ち込む(2016年10月時点の予測)。これは日本の経済成長が1980年代に比べて今後は約10分の1程度と超低迷することを示している。他の先進国も経済の長期停滞に入りつつあるが日本ほどひどい状況ではない。例えば、米英独の上記の成長の減速の程度は80年代の6割~7割程度にすぎない。