ビールと料理のおいしい合わせ方 発祥地や色に注目
料理に合わせてビールを選ぶ(2)
ビールと料理のペアリングは無限です。
しかし、無限であるからこそ、戸惑いもあります。組み合わせが多すぎて、どのように選んでいけばいいのか、悩んでしまうこともあるでしょう。
そんなとき「3つのC」と「3つのB」を手掛かりにすれば、簡単に組み合わせが思いつきます。
国と発祥地を合わせる ビールも料理も風土が決め手
ます1つ目のBとCは
Country(国)とBirthplace(発祥地)です。
ビールと料理の発祥を合わせます。これは、今、そのビールや料理がどこで造られているか? ではなく、ビールと料理がどこで生まれたか? がポイントです。
イギリスのパブの定番ビールであるペールエールとフィッシュ・アンド・チップス、ドイツで生まれたヴァイツェンと白ソーセージの組み合わせなどがそれです。
お酒も料理の風土が生み出し、育てるものです。長年その土地で親しまれてきた組み合わせが合わないわけがありません。また、そこで暮らす人々が毎日、お酒と料理を楽しんでいるわけですから、もし合わなかったとすればお酒か料理のどちらか(もしくは両方)が歩み寄って、心地よい組み合わせに仕上がっていくものです。
ベルギービールにはムール貝やカルボナードフラマンド(牛肉のビール煮込み)、アイルランドならばドライ・スタウトとアイリッシュシチューといったペアリングです。
色の濃淡を合わせる 香ばしいビールには色の濃い料理
続いて、2つ目のCとBは
Color(色)とBurnt(焦げ)です。
ビールの色は、フルーツなどを使ったものを除いて、使われている麦芽の焦げ方によって変わってきます。焦げた麦芽が使われているビールは色も濃く、おのずとこうばしさも強まります。
ですから、色の濃いビールには炙り料理やローストした料理が合いますし、色の薄いビールは焦げ感のない料理と相性がいいわけです。ビールと料理の色を合わせることは、焦げ感=こうばしさを合わせることなのです。
火を使わずに作れるマヨネーズソースには色の淡いベルジャンスタイル・ホワイトエール、きつね色に揚がったトンカツや串カツには銅色から薄い茶色のペールエールやアルトを合わせれば、焦げ感が揃うので味わいがピッタリとつながります。
鰻のかば焼きやすき焼きを濃色のポーターやスタウトで楽しむと日本酒以上のペアリングになること請け合いです。
同じように、パスタでも、ペペロンチーノやクリームソース系ならば淡色ビールを、ボロネーゼやミートソース系ならば濃色ビールと、選び分けることができます。他の麺類でも、うどんならば淡色ビール、焼きそばなら濃色ビールということになりますね。
焼き鳥でも、塩ならば淡色ビール、タレならば濃色ビールとのペアリングがお勧めです。
デザートも、ホイップクリームが使われたものは淡色ビール、焼き菓子やチョコレートは濃色ビールを合わせれば間違いありません。
[日経プレミアシリーズ「ビールはゆっくり飲みなさい」(日本経済新聞出版社)から抜粋]
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