カレーライスの卵、生orゆで? ウスターソース必須?
カレー(1)
今回のテーマはカレーである。
カレーライスでもカレーシチューでもカレーが絡めば何でもOK。ただし、これでは地図ができないので調査項目はとりあえず「カレーうどん VS カレーそば」とする。
関西ではカレーそばはまず食べないが東京では普通である。境界線は単純にうどん・そばのそれと同じなのか、それとも違う様相を呈するのか。そこを調べたい。
家庭で作るカレーも謎が多いです。数年前、10人ほどの若手芸人のお母さんが作ったカレーを持ち寄って食べ比べるという深夜番組を見たことがあります。そのときに、ものすごく驚いたことが2点あります。一つは、カレー粉から作っている人が1人もいなかったことで、みんな市販のルーで作っていました(ま、そんなもんか…)。
しかし、もっと驚いたのは半分ぐらいのお母さんが、やおらカツオ節で出汁を取るところから始めたことです。う~ん、これが世間の常識というモノなのでしょうか(お名前ありません)
そうそう、そうです。生卵とゆで卵。確かに違いがありますね。
コップに突っ込んだスプーンて懐かしい情景です。私の子供時代、家では全員がそうするものだと思っておりました。デパートでもやってましたね。地域差ではなく時代差かもしれません。
今もそういうスプーンの出し方をする地域があるんでしょうか。あったら楽しいな。
ほらほら来ました。関西の生卵カレー。ほかに似たようなメールはないでしょうか。
兵庫県高砂市の生卵&ウスターソースカレーです。文面ではYUKES さんは生卵を落とすという行為に特段の注意を払っておられないようですが、「当然」だからですよね。それとはっきり言いますが、カレーにウスターソースは店のご主人の個人的趣味などではありません。これは文化です。私の子供のころは「当然」でありました。家でカレーを作れば、誰かがウスターのビンをちゃぶ台に置く。「当然」の行為でした。
あと、テーマになっているカレーそばのそばは中華麺などではありません。日本そばです。関西の人にはわからしませんやろ。弊社社員食堂では「カレーうどんですかカレーそばですか」と聞かれます。今度、専門店のカレーそばの写真を掲載しましょうか。
デスク追憶 大阪で有名なJ由軒のカレーは、ルーとご飯をあらかじめ混ぜたものをお皿に盛り、まん中に生卵を落としたものですよね? 昔大阪にいた時、何度も入ろうとして、そのたびに入り口でUターンしてしまいました。生卵が待っているかと思うと…。みんなウスターソースもかけていたのでしょうか。
野瀬 今度、会社の食堂で生卵ウスターカレー、一緒に食べようよ。ねえー、ねえったらー。
私が食べて記憶に残っているカレー系物件といえば、まず「カレー湯豆腐」。京都と大阪で食べた。大阪では「煮込みカレーラーメン」をすすり、「天ぷら入りカレーうどん」で初めてカレー味のエビの天ぷらを体験した。東京でも「大根のカレー煮」に挑戦したことがある。その店では「お好み焼き風冷や奴」も出していた。熱いのか冷たいのわからないまま注文したら、おたふくソースとかつお節と青のりがかかった冷ややっこが登場して、腰抜かした。
明渡@奈良県さんはカレーを作ると朝昼晩食べるそうだが、海外カレー組はそんなもんじゃないようだ。
作り方は長くなるし秘密もあるので書きませんが、自分の名案はステーキハウスでの晩ご飯の時は、必ず残ったステーキ(当地では残るんです)も骨もあぶら肉も、同席者の分も全部ポチ用と見えを張ってテイクアウトして来て、それがまたちょっと香ばしくて絶妙のうまいカレーを作る秘訣の一つです。冷蔵庫の残り野菜なども全て片付くので頻繁にやるべきです(NYっ子さん)
1週間から10日もカレー系晩飯ですか。お好きなんですねえ。ウーロンハイなら1年中大丈夫ですけど。
日本でもファストフード系のカレー店でも似たようなことをやっています。何しろメニューがものすごく多いものですから、そういう風にしないとやってられないようです。
ココア(44男)さんによる一編のポエムを紹介しよう。
わたしはトンカツが大好き。
が、しかし。
年に何回か、必ず公開する……じゃなくって後悔するのが、カツカレーを食べたとき。
カツカレーはおいしくない。まずくはないのだけれど、おいしくない。トンカツにカレーをつけて食べる、あの味がよろしくない。
いっしょにたべるとおいしさ50%ア~ップ!(当社調べ)ってなことにはならない。かならず後悔するのだが、でもしかし、だがしかし。
わたしはカレーライスが大好き。
わたしはトンカツが大好き。
なもんだから、しばらくするとやっぱりたのんでしまう。
いっしょにたべないで、同じお皿の中ではあるが、カレーライスはカレーライス、トンカツはトンカツで(ソースをかけて)べつに食べればいいじゃん。
そう決心しても、食べ終わるまでの数分間の間にその決心はくずれ、イヤやっぱりカツカレーなんだからさぁ、と同じことのくりかえしになり、またまた後悔する。
われながらおばか。
パチパチパチパチ。
繰り返しのところが特にいいです。「われながらおばか」も和みます。
エミー隊員は笑いすぎて椅子から落ちておりました。
漬物ステーキ?
地方色の出る食べ物として「漬物」があると思いますが、私が住む岐阜県飛騨地方には「漬物ステーキ」なる食べ方があります。それは白菜の漬物(白菜、カブの浅漬け)を炒め、溶き卵をしいた鉄板(ナポリタンやハンバーグなどによく使われるもの)の上にのせてカツオ節を振りかけて食す食べ物です(好みで一味をかけます)。熱々の鉄板の上で踊るカツオ節と半熟卵と炒めた漬物のハーモニーはなかなかいけます。この漬物ステーキは主に居酒屋メニューなので、飛騨地方(高山市周辺)の居酒屋ならたいていどこにでもあると思います。
また、飛騨地方(下呂町周辺)には『ケイチャン』なる食べ物があります。これは塩、醤油、味噌、にんにくで味付けをした鶏肉をキャベツ、玉ねぎと合わせジンギスカン鍋で焼きながら食べる食べ物です。これがまたおいしいく、ビールによく合います。これらの食べ物は多分飛騨地方だけ(?)のものだと思いますので、野瀬さん、スタッフの皆さんがこちらに来る機会がありましたら是非食べてみてください(岐阜県飛騨地方在住のげん(♂26歳)さん)
あいた口がふさがりません。笑っているので。それにしても漬物ステーキなどというものがこの世に存在するとは夢にも思いませんでした。
「ケイチャン」は「鶏(けい)」の「ちゃんこ鍋」の略ですか?
個人的にもらったメールによると、米沢では漬かりすぎた白菜漬けを水に戻して塩を抜き、それを炒めるのだそうだ。醤油味。
私は「高菜の油炒め」が好物だが、漬物を炒める食べ方は全国にあるようだ。しかし、飛騨の漬物ステーキの場合は熱した鉄板で薄焼き卵を作り、その上にのせて供するという点で家庭のおかずにはない料理感を出している。迫力が違う。
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はい、そういうことでした。
しかし、帰りに駅前の土産物屋で見つけ、そこのおばさんに聞いたところ「寒クテ漬物ガ凍ッテシマウノデコノヨウナ食ベ方ガ生マレタ」とのことのようです。漬け物には大根と白菜とがあるとのこと。「シカシ土産物デハ本来ノ味ガ伝ワラナイデアロウカラ買ッテ来ナカッタ」。もう、土産物にまでなってるんだ。残念(夢の途中)
漬物ステーキヲ食ベタクナッテモ、ステーキ屋サンニ行ッテハイケマセンベカラズ。
昔、私は白菜の白い部分が好きで、緑の葉っぱの部分が好きな祖母や母にありがたがられていたのですが、それは単にだまされていただけだと最近気付きました。葉っぱの方がおいしいのです(高山生まれの弊社社員某)
実家では塩抜きしたたくあんをごま油・醤油で炒め煮にしたメニューが当然のようにありました! だいたいアクセントに七味唐辛子が入っています。長時間水につけて塩抜きするため、たくあん自体の味や香りはほとんどありません。「しなっ」とした大根のようなものです。漬かりすぎて美味しくなくなったたくあんの再利用、または単なるたくあんに飽きたときの料理だと思うのですが、いつも「栄養なさそう」と思いつつ食べておりました。それでも私は、絶対おいしいと思うのですが、よその地方の方にはそんなに驚きですかねー?(お名前ありません)
はい、私には珍しいです。白菜漬けを焼きながら食べるとか、たくあんを炒めるというのはとっても珍しいです。
あらあら、最近どうしてらっしゃるかと思っていたら八丈島に行ってましたか。
はい、そういうことでカレーにしております。八丈島でなぜワサビを使わないか。ワサビが採れなかったから。
ある方から夜になると飲み屋になる喫茶店の情報が入ってきた。その店はシメにチキンラーメンと生卵ぶっかけ飯を出すそうだ。
行くぞ。
(特別編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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