SKY-HI BE:FIRSTに新しく課した「覚悟」と「責任」
連載 SKY-HI「Be myself, for ourselves」(35)
今回は、前回の「SKY-HI 『THE FIRST』に最後の祭りが必要だった理由」に引き続き『日経エンタテインメント!』2022年2月号から転載する。1月29日・30日に、ぴあアリーナMMで開催された『THE FIRST FINAL』前に、この公演の意義や位置づけを聞いたものだ。[「BE:FIRST」や「THE FIRST」についてはこちら]

オーディション「THE FIRST」を締めくくるライブで、富士山合宿に臨んだ15人(NAOKIは新型コロナウイルス陽性判定のため不参加)に加え、プロデューサーを務めたSKY-HI、BMSG所属アーティストのNovel Core、edhiii boiも出演し、BMSGを中心に吹く新たな音楽業界の疾風を強く感じさせた。ライブは2月5日、Huluにて配信される(見逃し配信は2月28日まで)。
前回、「全員が前に進むためにきちんと終わらせることが必要だった」「『祭り』のようなもの」と語っていたSKY-HI。今回は、「THE FIRST」で最終審査までたどり着かなかったボーイズへの思い、そして『THE FIRST FINAL』を経ることでBE:FIRSTの7人に何を期待するのかを聞いた。
「THE FIRST」、特に富士山合宿以降は、いわゆる落ちた/受かったではなく、それぞれの才能を育成したうえでそれぞれが幸せになる未来を見据えていった。それもあって、「THE FIRST」の最終発表の回では最終審査に参加していないメンバー5人も観覧。「THE FIRST」を見続けてきた人にとっては、いわゆる「エモい」場面ではあった。今回の『~FINAL』への彼らの参加も含め、SKY-HI自身の彼らに対する率直な気持ちはどこにあるのか。
「実は最終審査の日にちょっと思ったんですよ。長時間にわたる撮影の時間のなかで、『なんで彼らがパフォーマンスする時間がないんだろう』って。彼らを最終審査に呼んだのは、僕にとっては自然なことだったし、BMSG所属になったRUI以外の、TAIKI、NAOKI、SHUNSUKE、TENも出演決定前に軽く声を掛けたらみんな喜んでくれていたし、当日も最後まで喜んでくれていました。
僕は『彼らも絶対最終審査を見たほうがいい』と思いながらも『無理はしないでね』『誰か1人でも躊躇(ちゅうちょ)する人がいれば、BMSG側の都合で、ほかの合宿メンバーを呼ぶのはやめました、ってできるから』と伝えました。でも、みんな『行きたい』って即答してくれたので、合宿を通して本当にいい関係を作れてよかったなと思いました。
とは言うものの、やっぱり途中で審査からいなくなっていったボーイズたちこそ、『~FINAL』をやることで、パフォーマンスを通してみんなそろって前向きな姿を世の中に見せられる場が出来るんじゃないかな。
アリーナ会場で2日間にわたってライブをするのは、経験値としてはとても大きく貴重なものです。もしかしたら次の活動の事務所が決まっているNAOKIなんかは、この経験を機に大きく化ける可能性があるかも……とか(編集部注:NAOKIは新型コロナ陽性判定を受けて不参加となった)、彼らが大きく成長する刺激になることも楽しみにしています」
一方で、これまで言われていたように、BE:FIRSTにとって「THE FIRST」での課題曲からデビュー曲の『Gifted.』までが一連のストーリーである。以降、彼らはここから新たなステップを踏み出す。この『~FINAL』を機に、彼らに課せられるのは、新たな覚悟と責任だとSKY-HIは語る。
「BE:FIRSTは、このピリオドによって、今後、背負う責任はどんどん増えていくことになるでしょう。もし彼らが今のまま活動を続けた場合、デメリットが生じてくるんです。それは、彼ら自身が『オーディションの延長線上にあるグループ』と今後も捉えられ続けてしまうことが1つ。つまり、見ている側も本人たちも、オーディション時のアマチュアの段階を引きずってしまうことです。
彼らも、さほど遠からず『新人』と呼ばれなくなる日が来ます。音楽業界には新しいボーイズグループがどんどん出てきますし、BMSGにだって新しいグループを作るなかで、きっと新しいメンバーも入ってくる。彼らは先輩という立場になります。そのときに、BE:FIRSTには、『自分たちはTHE FIRSTを代表して生まれたBE:FIRSTだ』という覚悟と責任がもっと必要になってくる。『~FINAL』は、今後のBE:FIRSTにとっても、とても大きな意味を持つポイントになると思います」

【過去の記事一覧と「BE:FIRST」についてはこちら】
(ライター 横田直子)
[日経エンタテインメント! 2022年2月号の記事を再構成]
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