コロナ禍で店舗展開を進める理由

2foodsのコンセプトは「ヘルシージャンクフード」。特徴はヘルシーでオーガニックなのに、病みつきになる味わいだ。店内で食べたドーナツは生地が分厚く、油の匂いが香ばしかった。生地はふわっともちもちで小麦の風味が広がる。コーティングされた砂糖は人工甘味料不使用でもしっかりと甘く、ドーナツチェーン店に近い食べ応えを感じた。

ユーザーに受け入れられるには、「プラントベースフードが持つ機能的な健康さやエシカルという要素に、おいしさが必要。ジャンクとヘルシーの要素をくっつけた、『ヘルシージャンクフード』というのが我々の開発コンセプト」(東CEO)と説明する。

TWO代表取締役CEOの東義和氏

この「ヘルシージャンクフード」を掲げて、同社は21年4月、都内3店舗と自社ECサイトを立ち上げ、飲食業界に参入。そこからコンスタントに店舗を増やし、11月2日に6つ目となる銀座ロフト店を開店した。21年4月に開店した渋谷ロフト店に続く2つ目の旗艦店となる。

新型コロナウイルス禍が続く中での新店舗オープンとなったが、東CEOは店舗展開を「(ブランドを売り込む)投資的な感覚」と述べる。「コロナ禍の影響を踏まえた上でのローンチということもあり、(集客というよりは)どちらかというと、我々のプロダクトがどういう風に受け入れられていくかの検証をしたい」(東氏)

2foodsにとって、開店当初の店舗の役割は売り上げを上げることがメインではない。ブランド発足から日が浅い段階では、まずブランドを認知してもらうことが重要だと言う。プロモーション効果やユーザーとの接点の増加を狙って、店舗を運営していく方針だ。

「2foodsはビーガン(完全菜食主義者)向けや、プラントベースフードに関心のある方だけに提供するのではなく、より広い方に受け入れてもらうためにブランドコンセプトをつくってきた。店舗へふらっと入った方に、おいしさを感じてリピートしてもらい、結果的に植物性由来の商品だと気づいてもらうのが、我々の望んでいる答え」(東氏)

ハードルが高いイメージを逆手に取る

2foods銀座ロフト店では、広いターゲット層にアプローチするため、広告塔としての側面をより強調する。そのためにこだわったポイントは大きく2点。1つはロフトの1階という立地、もう1つはメニューをスイーツ中心に絞ったことだ。

銀座ロフト店の外観、路面店で外から店内が見えるガラス張りになっている

銀座の路面店に見栄えする商品を並べれば、多くの人の目につき、ロフトからの流入客も期待できる。そこで興味を持った人に、「味がジャンキーなのに健康的」というコンセプトで商品を売り込む。商品自体の魅力で引きつけることで、フードテックやプラントベースフードについて知見がない人に、自然にリピートしてもらえる流れを生み出す。

「偶然食べた方が、一番体感する魅力は『ヘルシーさ』。植物性の食品は胃に持たれにくい」と東CEO。担々麺を提供している渋谷ロフト店では、「食後(おなかに)全然残らない」と感じたユーザーが、リピートしてくれるケースがかなり多いそうだ。

新規客を流入させるため、見た目が映えるスイーツを中心に提供、陳列しているのもポイントだ。幅広い商品ラインアップを持つ2foodsだが、銀座ロフト店は同店限定となるアイスクリームや、「Hot & Cold Sweets」と呼ばれる揚げたてのドーナツにアイスやグラノーラ、果肉ソースをかけた特製メニューなどで勝負する。

銀座店イチオシの「Hot & Cold Sweets」。ドーナツの上に乗っているソフトクリームもプラントベースで作られている

こうした狙いもあり、銀座ロフト店のメニューは全商品のうちの2割にあえて絞ったという。それでも、銀座ロフト店を旗艦店と位置付けるのには、ハードルが高いと思われがちなフードテックやプラントベースフードのイメージを逆手に取る戦略があった。

「日本でもいろいろなメーカーが代替食品(に関するビジネス)をやっているが、機能的な部分やエシカル(といった世界観)を押し出し過ぎている。我々はその逆で、食の欲求にダイレクトにアプローチし、映え方をシビアに見ているユーザーに満足してもらえることを大事にした」(東氏)

フードテック先進国の欧米では、自分が口にした商品をSNS(交流サイト)にアップして、「地球環境に貢献している」とアピールする傾向も見られるそうだ。日本とはフードテックの消費のされ方が異なるという。

2foodsはこうした海外での受け入れられ方を踏襲し、トレンドとしてフードテックの浸透を狙う。将来的にはアーティストやアパレルブランドとのコラボレーションも視野に入れているそうだ。

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いずれはチェーン店を代表する存在へ