日経PC21

Q:Type-CはType-Aより高速なの?

Type-C端子は2017年ごろからパソコンや周辺機器で使われるようになった。だが「新しいから無条件に速い」というわけではなく、Type-A端子よりも転送速度が遅いType-C端子もある(図4)。Type-A、Cといった端子の形状と、2.0、3.2、USB4といったUSB規格(転送速度)は、基本的に無関係(例外もあるが)と割り切って考えたほうがよい。

図4 Type-A端子で最も高速な規格は3.2 Gen 2の最大10Gbpsで、Type-Cで最も遅い規格は2.0の最大480Mbps。つまり、必ずしもType-CがType-Aより速いとは限らない

Type-AとCで利用できるUSBの規格を図5にまとめた。2.0と3.2 Gen 1、同Gen 2はType-AとCのどちらでも使える。同じ規格なら端子がAでもCでも転送速度に違いはないので、例えばパソコンに3.2 Gen 1のType-AとCの端子が両方あるなら、どちらにUSBメモリーを挿してもかまわない。

図5 Type-AおよびCの端子とUSB規格の組み合わせをまとめた。Type-Cは2.0以降のすべての規格が使えてUSB4にも対応するが、Type-Aは3.2 Gen 2で打ち止めだ

注意したいのはUSB3.2 Gen 2×2とUSB4 Gen 2×2、同Gen 3×2の3つだ。この3つの規格はType-C端子でしか実現できないので、対応機器は必ずType-Cに挿して使う。Type-A端子に挿すと性能が出ないこともあるので注意しよう。

旧世代の2.0規格がType-Cの端子として現役なのは、電力供給のためだ(図6)。データ転送と給電の規格は別物であり、Type-CのほうがType-Aよりも供給電力が大きい。データ転送を主目的としない給電専用なら、2.0規格のほうがケーブルを安価に作れる。大電力規格のUSB PDを使う際も同様で、PD対応のケーブルであれば、USB規格が2.0であっても問題はない。

図6 Type-Cは2.0規格だと転送速度は遅いものの給電能力は高く(1.5Aか3A)、Type-Aより短時間でスマホを充電できる。パソコンとケーブル、モバイルバッテリーがすべてUSB PD対応なら、モバイルバッテリーでパソコンの充電も可能(右)。USB PD対応2.0ケーブルも店頭にある(左)
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Q:外付けSSDはType-Cにつなぐべき?