AIの強化でカメラに新機能

正直なところ、ここまで紹介した機能・性能は通常のスマホの範囲内。だが、Pixel 6シリーズはグーグルが独自開発したチップセット「Tensor」を搭載したことで新たな進化を遂げた。

TensorはCPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理半導体)の機能を1つにまとめたチップセット。スマホでは米Apple(アップル)のiPhoneが独自開発の「A」シリーズを搭載しているが、それ以外のスマホの多くは米クアルコムや台湾メディアテックの汎用品を搭載するのが一般的だった。グーグルも従来のPixelシリーズでは米クアルコムの汎用品を採用していたが、Pixel 6シリーズで方針を転換した。

Tensorの何がすごいのかというと、それは「AI」ということになる。Tensorは前機種Pixel 5が搭載する米クアルコム製チップセットよりCPU性能が80%、GPU性能が370%向上した。それ以上にAIに関する処理性能が大幅にアップしており、結果としてPixel 6シリーズはAI技術を用いた機能が大きく進化した。

Pixel 6シリーズに向けてグーグルが独自開発した「Tensor」。AI関連の処理性能・機能を大幅に強化した

Tensorを活用した機能強化の象徴はカメラだ。PixelシリーズのカメラはこれまでもAI技術を取り入れることに力を入れていたが、Pixel 6シリーズではそれがさらに加速した。

例えば「消しゴムマジック」と呼ぶ新機能。これは撮影後、「Googleフォト」で写真を数回タップすると、AIが不要な物体を自動検出して消去するというもの。自撮り写真に映り込んだ通行人を消すといったことができる。SNS(交流サイト)に写真をアップする際、役に立ちそうだ。

AIを活用したカメラの新機能の1つ「消しゴムマジック」。写真上の不要なものを検出して消してくれる

AIを活用したカメラ新機能の2つ目は「モーションモード」と呼ぶもので、被写体の「動き」を表現しやすくする。滝や電車などの流れるような動きを表現する「長時間露光」や、動いている被写体の背景が流れるような表現ができる「アクション パン」など、通常は高度な技術と機材が必要な撮影がAI技術によりボタン1つで簡単にできるようになる。

「モーションモード」の「アクション パン」を利用すれば、動いている被写体の背景が流れるような表現も簡単にできる

肌の色を正確に再現する「リアルトーン」と呼ぶ機能も新たに搭載した。従来のスマホのカメラは、いわゆる「美白モード」に代表されるように肌の色をいかに明るく映すかに重点を置いていた。Pixel 6のリアルトーンはさまざまな民族が持つ肌の色の多様性を重視し、自然な色を再現する。

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