インフル流行期は心筋梗塞に注意! リスクが23%上昇

冬に増える心筋梗塞。高齢者がインフルエンザの予防接種を受けていると、そのリスクが低くなる可能性が。(写真=123RF)
日経Gooday(グッデイ)

インフルエンザの流行期になると急性心筋梗塞(以下、心筋梗塞)の発症率が上がること、そして、高齢者がインフルエンザの予防接種を受けていると急性心筋梗塞のリスクが下がる可能性があることが、スペインで行われた研究で明らかになりました。

インフルエンザによって血管のプラークが破れやすくなる?

以前から、インフルエンザにかかると心筋梗塞を発症するリスクが高まるという報告はありました。ただ、これまでの研究は、種類の異なる心筋梗塞をひとまとめにして分析していました。

心筋梗塞には、主にタイプ1とタイプ2があります。タイプ1は、いわゆる「アテローム性動脈硬化」[注1]と呼ばれる状態から起きてくるもので、血管の中のプラーク(粥腫;じゅくしゅ)が破綻して血管の中に血栓が形成され、心臓に酸素や栄養を送る血管である冠動脈が閉塞します。一方、タイプ2は、心臓の筋肉への酸素の供給が減る、あるいは酸素の需要が増えることによって生じたミスマッチにより、血液不足(虚血)が生じるものです。

インフルエンザとの関係においては、インフルエンザウイルスの感染によりプラークが破れやすくなって、タイプ1の心筋梗塞が生じるのではないか、と考えられていますが、一方で、あらゆる呼吸器感染症が、頻脈、低酸素症、全身性の炎症反応を引き起こす可能性があり、それがプラーク破綻なしに心筋壊死を引き起こす、という仮説も提示されていました。

また、冬にインフルエンザが流行する地域では、インフルエンザのみならず、低温自体も心筋梗塞の発症率を上昇させる可能性があります。

そこでスペインの研究者たちは、冬期におけるインフルエンザと、タイプ1であることが画像診断により確認された心筋梗塞(以下、心筋梗塞はタイプ1を意味する)の関係を、最低気温を考慮して分析することにしました。さらに、地域社会レベルで、インフルエンザワクチンの接種が心筋梗塞リスクに及ぼす影響も検討しました。

[注1]心臓に血液を送る冠動脈の内膜に、コレステロールなどからなる粥状の物質が蓄積されてアテローム(粥状硬化巣)を形成し、厚みを増してプラーク(粥腫)となったもの。これが破綻すると、血管内腔に血栓が形成されて冠動脈が閉塞する。

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インフル流行期は心筋梗塞リスクが23%上昇
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