超高速「USB4」が次代の主役 早分かりパソコン端子最新パソコンスペックガイド インターフェース編(上)

パソコンには、USBや映像出力など多くの端子(インターフェース)がある。それぞれ種類があり、パソコンの仕様に細かく記載されている。これを理解しておくと、製品が選びやすくなる(図1)。今回から2回にわたってパソコンのインターフェースを解説しよう。まずは知っているようで知らないUSB端子の最新事情から。

図1 USBは端子の形状だけでは規格の違いを見分けにくい。規格の違いを理解しておくと、パソコンや周辺機器を選びやすくなる。このほか、映像出力やディスプレーの仕様を把握しておくことも重要だ。画面はマウスコンピューターのパソコンの仕様

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現在、パソコンが持つUSB端子は、長方形のUSBタイプAと楕円形のUSBタイプCの2種類ある(図2)。

図2 長方形のUSBタイプAと、楕円形のUSBタイプCの2種類。タイプCの端子は上下の形状が同じなので、どちらの向きで挿してもよい。さらに、タイプCはUSB以外の信号も流せるので、充電やサンダーボルトの端子として兼用する場合もある

USBタイプAは、USBのみで使われる。USB 3.0以降では、パソコン側の端子が青色になり、接点の数も増えた(図3)。

図3 USB 3.0以降のUSB端子は、USB 2.0以前の端子よりも接点が多いため、形状で見分けられる。青色の端子が多い

USBタイプC端子は、USBだけでなくThunderbolt(サンダーボルト)やパソコンの充電端子としても利用される。また、端子の形状が上下同じなので、コネクターの表裏を気にする必要もない(図4)。

図4 端子にコネクターを挿すと、パソコン側のCC1とCC2の接点が端子の向きやケーブルの種類などの情報を受け取り、それに合わせて信号線を切り替える

USBタイプCはUSB 3.0とほぼ同時期に登場したが、あくまで端子の規格。USBタイプCでも、USB 2.0対応の端子やケーブルも多いので注意したい(図5)。

図5 USBタイプCはあくまで「端子」の規格。見た目はタイプCでも、実際にはUSB 2.0の信号線を備えた端子やケーブルもある。特に安価なケーブルに多い

わかりにくいUSBの規格

USBは規格のバージョンが上がるとともに、通信速度が引き上げられている。現在の最新規格はUSB4だ(図6)。

図6 USBはバージョンによって、最大転送速度や利用できる端子の種類が異なる。現在はUSB 3.2が広く使われている。最新は、サンダーボルト3の技術を盛り込んだUSB4だ

USB 3.0~3.2は、何度か改名され、同じ規格でも複数の呼び名を持つ。例えば、USB 3.0はUSB 3.1の登場時に、USB 3.1 Gen1と改名された。さらに、USB 3.2の登場時にはUSB 3.2 Gen1x1(製品によってはUSB 3.2 Gen1と記載)と名前が変更された(図7)。

図7 最大速度が5GbpsのUSB 3.0は、USB 3.1が登場するとUSB 3.1 Gen1に、USB 3.2が登場するとUSB 3.2 Gen1x1(USB 3.2 Gen1と記載されることもある)に改名された。USB 3.1 Gen2もUSB 3.2 Gen2x1(同USB 3.2 Gen2)に変更された。また、USB 3.2 Gen2x2とUSB4 20Gbpsも名称が違うだけでほぼ同じものだ

同様に、USB 3.1 Gen2とUSB 3.2 Gen2x1、USB 3.2 Gen2x2とUSB4 20Gbpsも名称が異なるだけで、機能はまったく同じ規格となる。こうした呼び方の変更が、USBの規格をわかりにくくする一因になった。

現在、製品のパッケージや仕様にはこれらの規格名が混在する。迷ったときには、図7を参考にしてほしい。USBの場合、端子やコネクターの形状さえ一致していれば、最悪利用はできる。必ず端子やコネクターを確認して利用しよう(図8)。

図8 USBは最悪、端子の形状さえ一致していれば、規格が合わなくても接続して利用できる。本体や付属ケーブルなどの端子やコネクターの種類を必ず調べ、接続できるか確認する。画面はバッファローのSSDの仕様
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USBタイプCは万能端子