
今年も米Apple(アップル)が春の新製品を発表した。第3世代の「iPhone SE」や第5世代の「iPad Air」は従来モデルのデザインを踏襲したマイナーチェンジにとどまったが、新たに登場したデスクトップパソコン「Mac Studio」には度肝を抜かれた人も少なくないだろう。
これまでもアップルはインテル製のCPU(中央演算処理装置)に変わって、自社開発した「M1チップ」の採用を進めており、その性能の高さと消費電力の少なさは話題になっていた。
そのM1チップがさらに進化して、驚異的な性能を発揮するデスクトップに搭載されのがMac Studioだ。特に最上位の「M1 Ultra」を搭載する上位モデルは、「驚愕(きょうがく)」としか言いようがないパフォーマンスを発揮し、動画や写真編集で威力を見せつける。詳しくレビューしていこう。
超高性能だが本体はコンパクト
Windowsパソコンの超高性能モデルは、タワー型の本体を採用することが多い。グラフィックボードを拡張したり、冷却用のファンなどを搭載する必要があるためだ。
これに対してMac Studioの本体はとてもコンパクトだ。底面は19.7センチの正方形で高さは9.5センチとなっている。これはMac miniと同じフットプリント(設置面積)で高さが3.6センチから9.5センチへと高くなったわけだ。
実物はかなり小さく、驚くべき性能を発揮するとは思えないほどスッキリした外観だ。余計な造作はほとんど見当たらず、各種ポートが並んでいる。本体には底面以外には継ぎ目すら見当たらない。本体の背面と底面にメッシュの部分があり、ここで吸排気を行っているが、音がほとんど気にならないほど静かだ。低消費電力で発熱が少ないからだろう。


拡張性も驚くほど高い
拡張性は非常に高く、かつ先進的だ。なんと言っても驚くのが背面に最新のThunderbolt 4端子が4つ並んでいること。さらに、正面にも2つのUSB Type-C端子があり、上位モデルはこちらもThunderbolt 4だ(下位モデルは10ギガビット/秒のUSB Type-C端子となる)。つまり最大6基のThunderbolt 4端子が使えるのだ。
そもそもWindowsのデスクトップにはほとんどThunderbolt端子が搭載されていない。あったとしても1つか2つだ。今後、ThunderboltやUSB Type-C対応の周辺機器が増えてくることを考えると、非常に先進的な構成だ。
さらに、有線LAN、HDMI、USB Type-A、3.5ミリイヤホンジャックを備える。また、正面にはSDカードスロットを搭載するのも注目だ。動画や写真を一眼レフカメラで撮影するケースが多い人には、SDカードが標準で使えるのは非常に便利だ。


また本体に電源が内蔵されており、コンセントにケーブルをつなぐだけで使えるのもすごい。本体を小さく作るならACアダプターを採用した方が有利だが、そこはアップルの美学が許さないのだろう。感心することしきりである。
