日経クロストレンド

25年までにはEV比率35%に

「アウディのEVであるe-tronシリーズは、日本での販売台数の2%弱にすぎず、現状では『EVが売れている』とは言い難い。しかしお客様の価値観、ライフスタイルが変わる中で需要は高まるだろう」とシェーパース氏。

自動車業界が100年に1度、あるいは業界始まって以来の変革の時を迎え、IT企業が自動車業界に参入を表明し、新進のEVブランドも登場している。共存よりマーケットリーダーにならんとする彼らに対し、「日本市場においても、いかに準備をするか。ディーラーとともに戦略を打ち立てられるかだと考えている。ドイツのアウディからは30年までのロードマップが明示されており、サステナブルな企業であること、社会的な責任を果たしながら新しいリーダーとなることをゴールとされている。そのため新技術に5兆円を投資する」(シェーパース氏)と話し、日本での販売戦略でもEVに力を入れていく姿勢を示した。

ドイツのアウディはピュアエンジン車の投入を25年で最後にし、26年以降の新型車は全てEVにすると発表している。エンジン車の廃止自体は段階的になるが、33年には中国を除き、エンジンの生産そのものも終了する予定としている。日本でのEV販売比率はこの計画に合わせ、22年中に全体の7%、23年には15%と拡大していき、25年までには35%に高めて年間1万台以上のEVを販売する考えだ。このため24年までに15車種以上のEVを投入する計画という。

日本でのEV販売比率は22年中に全体の7%、23年には15%と拡大していき、25年までには35%に高めて年間1万台以上のEVを販売する計画

Q4 e-tronをEV戦略の主力に

新型EV「Q4 e-tron」は日本導入のアウディEVで最も小型で、EVエントリーの役目も担う

今回お披露目された新型EV「Q4 e-tron」シリーズは、こうした計画を印象付けるものとなった。SUVの「e-tron」、4ドアクーペ「e-tron GT」に続く、Q4 e-tronの最大の特徴は、アウディ初のコンパクトEVであるという点。コンパクトSUVの「Q4 e-tron」とコンパクトクーペSUV「Q4 e-tron スポーツバック」の2タイプを用意し、軽快な走りを予感させる若々しいデザインも特徴的だ。

Q4 e-tronのボディーサイズは全長4588×全幅1865×全高1632ミリメートル(※スポーツバックは全高1614ミリメートル、全て欧州モデル)

ドイツのVWグループがEV向けに開発したプラットフォーム「モジュラー エレクトリック ドライブ ツールキット(MEB)」をアウディで初めて採用した。ボディーサイズは全長4588×全幅1865×全高1632ミリメートル(※スポーツバックは全高1614ミリメートル、全て欧州モデル)で、SUVの「Q3」と「Q5」の中間サイズだ。パワーユニットと駆動方式、電池容量は1タイプのみ。駆動用電気モーターの性能は最高出力150kW、最大トルク310Nmを発揮し、後輪のみを駆動する。フロア下に収まる駆動用リチウムイオンバッテリーは82kWhと大容量で、1回の充電での走行距離は516キロメートル(欧州値)と十分な長さだ。充電方式は、200Vの普通充電で最大8kWまで対応。急速充電はCHAdeMO規格の125kWという高出力まで対応しており、例えば125kWであればバッテリー残量が5%でも38分で80%まで充電可能(理論値)という。

価格はQ4e-tronが599万円(税込み、以下同)から、Q4 e-tronスポーツバックが688万円からで、すでに日本で販売されているe-tronのエントリーモデルの935万円と比べ、ぐっと引き下げられている。シェーパース氏は、「世界的に見ても、一部の富裕層だけがEVに乗る時代はとっくに終わった。それを変えるシンボルが、Q4 e-tronだ」と、その役割の大きさを示す。Q4 e-tronは今後、日本でのアウディEVの主力と位置付けられるという。

価格はQ4e-tronが599万円から、Q4 e-tronスポーツバックが688万円からで、e-tronのエントリーモデルよりぐっと引き下げられている
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急速充電器を50基から104基に