本格派ラップの若手が台頭、ゴリゴリ系が若者の人気に
TikTokをはじめ、若者の音楽トレンドで人気が加速しているジャンルとして、LINE MUSICのコンテンツプロデューサー松村奈央氏は、ラップを挙げる。
「若者の間で、ラップ人気が一般化しつつあります。コロナ禍となってからは、家でも聴きやすいRin音の『snow jam』といった、チル系と呼ばれる、スローテンポで落ち着き感のあるラップがトレンドとなりました。そこからコロナが少し落ち着いたこともあり、最近では言葉に勢いがあったり、洋楽志向の本格的なサウンドのラップが、LINE MUSICのチャートでも上位に入ってきています。あとラップがTikTokでも人気を集める理由の1つとして、“パンチライン”と呼ばれる印象的なフレーズが多く入るため、動画で使いやすいことも大きいですね」
攻撃的なサウンドとラップで人気を集めるのが、JP THE WAVY。海外でも高く評価されており、『BUSHIDO』は21年7月リリースの映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』のサントラ盤に収録。唯一のアジア人として参加している。
19歳のラッパーLEXも、21年に人気ヒップホップユニットBAD HOPの楽曲に参加。さらにJP THE WAVYを客演に迎えた『なんでも言っちゃって』は、タイトルにもなっている歌詞がTikTokでウケてヒット曲となった。
ヒップホップ界の大物たちから一目置かれているのが、21歳のラッパーKvi Baba。21年は、KREVAやRHYMESTERなどに楽曲提供する、BACHLOGICプロデュースの『Tear Wave』を皮切りに、4カ月連続でのリリースを行った。


新ジャンルな音楽性とハイセンスなファッションで注目を集めるラッパー。m-flo、AKLO、BAD HOPといった国内のオーバーグラウンドなアーティストや、アメリカ、韓国のトップアーティストたちとも共演を果たす。21年9月にEP『WAVY TAPE 2 (Deluxe)』をリリース。
LEX 『なんでも言っちゃって』がヒット
天性のメロウボイスと攻撃的な楽曲とのギャップが人気の19歳のヒップホップアーティスト。14歳の頃からSoundCloudに楽曲をアップロードし始め、19年に1stアルバム『LEX DAY GAMES 4』を発表。3月23日には『20(Complete Mixtape)』を配信リリースした。


22歳のラッパーで、17年より音楽活動を開始。ラップと歌を縦横するメロディックなフロウが特徴。ZORN、SALUなどの国内のヒップホップシーンを代表するアーティストたちともコラボを行う。22年に入って、2月に『愛槌(あいづち)』、3月に『二つ目の家族』を配信リリース。
T-STONE 過去曲がTikTokでブレイク
22歳のヒップホップアーティスト。学生時代からラップを始め、MCバトルで頭角を表す一方、18年から音源も発表し続ける。21年の年末には、19年の1st EP収録の『Let’s Get Eat』が突如TikTokでブレイク。「TikTok週間チャート」の全ジャンル総合1位を獲得した。