2022年見逃せないアーティスト 注目3ジャンルの12組

日経エンタテインメント!

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コロナ禍などにより刻一刻と環境が変わる中、音楽界で台頭する次の人気者は誰か。2022年の主役として注目されるアーティストを「TikTok活用」「本格派ラップ」「ライブ復活」をキーワードに紹介する。

戦略的にTikTok活用、狙って曲をバズらせる新人たち

2021年に優里が大ブレイクするなど、TikTok発のヒットは日本の音楽シーンに大きな影響を与え始めている。「22年もその傾向が続きそう」と語るのは、音楽ストリーミングサービスLINE MUSICのコンテンツプロデューサー・出羽香織氏。「若い子たちに聞くと、いまや音楽の流行をキャッチする手段としてもTikTokを使っているそうです」と続ける。

アーティスト側もその流れを受けて、動画のBGMとして使われることをただ期待するだけでなく、自身のTikTokアカウントを戦略的に活用する若手アーティストが増えてきているという。

「WurtSさん、meiyoさんなどがまさにそうですね。彼らのようにTikTokをしっかり研究して、楽曲のサウンド、動画の内容や頻度まで意識した投稿を行うことで、TikTok発のヒット曲が生まれるケースが相次いでいます」(出羽氏)

シンガーソングライターのWurtSは、「研究者×音楽家」というユニークな肩書きを持つ現役大学生。TikTokを研究し、ロックのヒット曲が少なかったことから、21年1月にあえてロックチューン『分かってないよ』を投稿、バズ動画へと結び付けた。その後は様々なジャンルの楽曲を発表している。また、弾き語り動画などを毎日投稿し、ファンベースを意識した取り組みも行う。

元バンドマンのシンガーソングライターのmeiyoも、TikTok上のヒット曲を分析して大ヒットを生んだ1人。21年7月に投稿した、自身のうまくいかない現状を自虐的に歌ったダンスナンバー『なにやってもうまくいかない』が、様々な動画などに使われてTikTokでブームに。9月にメジャーデビューも果たした。

WurtS 4月1日に『Talking Box(Dirty Pop Remix)/SPACESHIP』を配信リリース
meiyo 2月25日に『チャイニーズブルー』を配信リリース
WurtS 肩書きは「研究者×音楽家」
 作詞作曲に加え、アートワークや映像まで全てをセルフプロデュースする、21世紀生まれのソロアーティスト。ロック、ヒップホップ、エレクトロなど、ジャンルの垣根を越えた楽曲が特徴。TikTokでは毎日投稿を続けている。

meiyo 自虐ソングがTikTokで大バズリ
 ドラマーとして活躍後、シンガーソングライターとして活動していた「ワタナベタカシ」が18年に改名。どこか懐かしいメロディーラインと、少しひねくれた歌詞が特徴。TikTokで話題の楽曲『なにやってもうまくいかない』を使った投稿は4万件を超える。

imase 1月30日に2ndシングルとなる『逃避行』を配信リリース
鈴木鈴木 十夢(兄、左)、2000年生まれ。聖七(弟、右)、2001年生まれ
imase TikTok上で成長し続けデビューも
 21歳の新世代シンガーソングライター。音楽活動開始わずか1年で、TikTokに投稿したオリジナル曲がバズを生み続け、『逃避行』はTikTok週間楽曲ランキング1位に。21年12月19日に『Have a nice day』でメジャーデビュー。

鈴木鈴木 音楽活動の場をSNSに移してヒット
 美ハモで話題の兄弟ユニット。ライブシーンで結果が出ず、19年頃から活動の場をSNSに移行。TikTokに上げたカラオケ動画などが話題に。オリジナル曲『君と僕はさ』、『海のリビング』などがロングセラーに。最新曲は『春空』。
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本格派ラップの若手が台頭、ゴリゴリ系が若者の人気に