コレステロール摂取量は「かなり」減らさないと効果が出にくい
もう一つ、コレステロールを制限してもLDLコレステロールが下がらないのは、「制限の程度」が足りないケースも多いと考えられる、と横手さんは指摘します。
「食事からとる1日のコレステロール量が0~100mgだと、LDLコレステロール値にはほとんど影響がありません。200~400mgになるとLDLコレステロールが上がってきます。ところが400mg以上になると、500mgとっても、600mgとっても、LDLコレステロールはほぼ横ばいになってそこからは上がらなくなります。つまり、今まで800mgとっていた人が500mgや600mgにしてもあまりLDLコレステロールの数値は変わらないけれど、600mgとっていた人が200mgにすると減ってくる可能性があるのです。これは1980年代の時点で分かっています」(横手さん)
2019年の「国民健康・栄養調査」によると、日本人(成人)の1日のコレステロール摂取量は平均335mgです。コレステロール低減効果が期待される200mg以内にするには、「少し減らす」だけでは足りず、「かなり減らさないといけない」ということです。まずは主菜や間食でコレステロールを多く含む食品を避けるなどの工夫をしましょう。

(図版制作 増田真一)
この記事は、「『LDLコレステロールを下げるには?』『糖質と油、どっちを控える?』名医が回答」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/18/020200005/061400110/(伊藤和弘=ライター)を基に作成しました。
[日経Gooday2021年10月25日付記事を再構成]